文化遺産とレジリエンス -災害後の文化遺産保全活動の世界的動向から学ぶ-

形式 シンポジウム
紹介文 「緊急時の文化遺産のファーストエイド」日本語版発表を記念し、緊急時の文化遺産の保全の意義についてレジリエンスの観点から考えるシンポジウムを企画しました。
開催日 2023年2月12日(日)13:00~17:00
場所

東北大学災害科学国際研究所1階多目的ホールおよびオンライン
*オンライン:Zoom(URLは参加申込者全員に後日メールでご連絡いたします)

主催

東北大学災害科学国際研究所、
歴史文化資料保全のための大学・共同利用機関ネットワーク事業東北大学拠点

プログラム

講演(13:00~14:30)
 ■講師
 アパーナ・タンドン氏(Aparna Tandon)
 ICCROMプログラムユニット上級幹部
 First Aid to Cultural Heritage in Times of Crisis 主筆者
 
コメント(14:45~15:45)
◆コメンテーター(敬称略・順不同)
 高妻洋成  国立文化財機構文化財防災センター長
 上山眞知子 東北大学災害科学国際研究所客員教授/ガイドブック日本語版翻訳者 公認心理師
 小谷竜介  国立文化財機構文化財防災センター 文化財防災統括リーダー
 奥村誠   東北大学災害科学国際研究所 災害レジリエンス共創センター教授
 
質疑応答(日本語)(16:00~)

概要・趣旨

◆本シンポジウムの趣旨
2018 年に、有形・無形の文化遺産の保全を主導する政府間機関である、文化財保存修復国際センター(1956 年のユネスコ総会決議で設立:ICCROM/ローマ)から、災害発生後に文化遺産の保全を速やかに実施するための考え方や方法を示したFirst Aid to Cultural Heritage in Times of Crisis(ハンドブックとツールキット)が発表されました。
その後、世界中から集まった事例に基づいて、ICCROM は、理念を更新し続けています。2020 年以来、ICCROM は「文化遺産のための緊急支援とレジリエンス」を旗印に掲げ、世界中で緊急事態における文化遺産の保全とその意義に関する、教育研修や調査・研究のプログラムを展開しています。

現在、ICCROM が注目しているのが、地域コミュニティに根差した文化遺産の保全活動とレジリエンスの促進です。日本では、阪神・淡路大震災後に資料保全のために立ち上げられた「資料ネット」の活動があります。地域に根差した活動が、災害後の地域や人々のレジリエンスを促進するという事例は、日本のこれまでの活動、さらに今回のハンドブックにおける世界各地の事例からも報告されています。しかし、日本では指定・未指定を問わず、文化遺産の救出は「モノの復旧」とみなされ、被災した個人や地域社会を支援するための公的システムには含まれていない現状があります。

昨今の世界的な情勢を鑑みると、私たちは今こそ、緊急時に文化遺産を保全し伝承する重要性について、レジリエンスの促進という観点から学び考える必要があるのではないでしょうか。

東北大学災害科学国際研究所では、2022 年6 月末にFAC の日本語訳『緊急時の文化遺産のファーストエイド 緊急時における有形文化遺産と無形文化遺産を保全するための、平時の備えと対緊急時応について』を作成し、ICCROM のHP に上梓しました。これを記念して、ICCROM 本部から、主筆者であるアパーナ・タンドンさんをお迎えし、緊急時の文化遺産の保全の意義について、レジリエンスの観点から考えるシンポジウムを企画しました。日本側からは、文化遺産保全の最先端に携わる方々、災害とレジリエンス問題に取り組んでいる方々にコメントしていただきます。 

申し込み方法
締め切り

参加申込締切:2023年2月7日(火)
参加申し込み:https://forms.gle/VdvbAgBU62d6aWZ76 

言語

英語(逐次通訳付き)

連絡先

dsata[at]irides.tohoku.ad.jp
災害科学国際研究 所歴史文化遺産学保全分野(佐藤)
([at]を@に変えてお送りください)

URL

 https://irides.tohoku.ac.jp/event/event_jn/detail---id-6245.html