フィールドネット・ラウンジ Fieldnet Lounge

Fieldnet活用の場として
シンポジウムやワークショップ等の企画を
毎年2件程度募集しています。

2027年2月 6日

「探る」—環境を読み解く実践からナヴィゲーションを問い直す

「探る」という行為は、人類にとって普遍的な営みのひとつである。本シンポジウムでは、都市や森林、海のような環境における「探る」実践の諸事例の検討を通じて、人びとがいかに周辺環境を読もうとしているか明らかにすることを目的とする。移動やナヴィゲーションの研究では、目的地への到達や、多数の情報の中から特定の情報を探し出し、方向や「道」を見出す行為が注目されてきた。このように利用可能な情報や手がかりを「探る」実践を通した周辺世界の捉えかたもまた、広義のナヴィゲーションといえよう。こうした実践は、多様な自然環境に適応するための生態知として注目されてきたが、当然ながら都市や街でもおこなわれている。それはまた、流動的な環境のなかで、生業や娯楽など異なる目的に基づき、ときに機械や道具が媒介して、日々営まれてきた。本企画はこのような背景に着目しながら、日本やインドネシア、スペイン、ドイツをフィールドとする研究者が経験し観察してきた事例から議論を立ち上げる。必ずしも固定的な目的地を設定しない実践のなかで、人々がいかに周辺環境と対峙しているのかという視点からナヴィゲーションのありかたを問い直そうとする。

2027年2月20日

東アジアの文脈から「宗教」を問い直す――物質・身体・感覚

本シンポジウムでは、日本・中国大陸・台湾の事例を取り上げ、宗教実践の現場において、人々がいかに目に見えない超越的存在を感じ取り、それと交渉し、意味づけているのかを、東アジアの文脈から明らかにすることを目的とする。そこで注目するのは、教義や信仰を中心とした宗教実践ではなく、物質や身体感覚、雰囲気、さらには人々の予想を超えて生じる偶然的な出来事を媒介として生成される宗教経験である。日本・中国大陸・台湾で長期的なフィールドワークを行ってきた研究者が、それぞれの民族誌的事例を提示し、こうした宗教経験が具体的な実践のなかでいかに立ち現れるのかを検討する。これらの事例を比較することで、人間を信仰の主体とみなす前提や、精神と物質を二元論的に捉える西洋的な宗教理解を問い直す。さらに、物質・感覚・環境・出来事と人間との関係から宗教経験を捉え直すことによって、東アジアを単なる地域的事例としてではなく、宗教概念そのものを再構築するための理論生成の場として位置づけることを目指す。

2026年2月 1日

終了しました

屠畜と食肉が創り出す秩序と倫理―アジア諸地域の比較民族誌的研究

本シンポジウムでは、屠畜と食肉生産の近代化がアジア諸地域においてどのような秩序や倫理を創出しているのかを比較民族誌的に考察する。とりわけ、宗教的実践の維持と変容、制度化された衛生・倫理基準の導入、屠畜者の職業的アイデンティティの再構築/再編といった具体的なテーマを通じて、現代における人間と動物の関係の再構築を理論的に探求することを目的とする。

2025年2月 8日

終了しました

交差する⽣活:東アジア3国におけるムスリム移⺠の⽣活実践と社会的ダイナミクス

日本、韓国、台湾に暮らすムスリム移民の日々の生活やコミュニティのつながりを探り、国家の「統合」政策だけでなく、彼らがどのように地域社会と関わっているのかを考えます。移民本人や活動家の視点を直接聞くことで、学術研究と現場の経験を結びつけ、現実に即した東アジア地域のダイナミクスを比較し、より広い視野で理解を深めることを目指します。

2025年2月 7日

終了しました

タカラヅカの中東・イスラーム――宝塚歌劇に見る日本的オリエンタリズム――

本シンポジウムでは、中東・イスラーム地域を研究対象とし、専門分野を異にする研究者らが、フィールドワークおよび資料調査で得られた知見を活かし、日本の大衆演劇、宝塚歌劇における中東・イスラームの表象の諸相とその社会への影響を、日本的オリエンタリズムの観点から検討する。この検討を通じて、宝塚歌劇団が、中東世界の表象において、西洋から投射されたオリエンタリズムの見方を踏襲しながらも、東洋である日本の視点をも反映させていた点を明らかにする。そうして、「日本的オリエンタリズム」と呼びうるものの一例を提示する中で、日本の文化表象研究に一石を投じることを目的とする。

2024年2月17日

終了しました

越境するケア:インド・アフリカ・英国をつなぐ<社会的なもの>の学際的考察

20世紀初頭の西欧諸国による植民地化を機に、東アフリカには多数のインド系の人々が移住し、アフリカにおけるインド系の共同体を形成することになる。その後の1972年のウガンダからのインド系移民強制追放に顕在化されるように、インドとアフリカは複雑に絡み合った歴史を抱えてきたのだが、それにもかかわらずインド研究者はアフリカに、アフリカ研究者はインドに十分な目を向けてきたとはいえない。本ワークショップでは、旧大英帝国の植民地主義下の歴史・記憶によってつながれたインド・アフリカ・英国において、インド系ディアスポラがどのように在地の「インド人」・アフリカ人・英国人などさまざまなアクターと交渉しながら独自の<社会的なもの>──フォーマルな社会福祉の制度/インフォーマルな人と人とのつながり──を形作ってきたのか、ケアの文化に焦点を当てて学際的視座から明らかにすることをめざす。

2023年12月 3日

終了しました

多様な社会・環境系を可視化する:レジリエンスからロバスト性へ

本シンポジウムは、農業・農村の問題の科学的解決を目指す研究と、これらを取り巻く社会動態の解明を目指す研究を融合的に取り扱いながら、肥沃な三日月地帯とその周辺域に迫るものである。両分野において得られる時系列データについて、モデル化や解析などの数学的手法と、フィールドワークを含む社会科学的手法を提示し合いながら、地域の多様で複雑な社会・環境システム(socio-environmental system)について意見交換を行うことを目的とする。個別の科学的事象の解明とともに、社会政治的背景のより正確な理解とを同時に行うことで、有用な提言が可能となると考える。本シンポジウムが新たに提示するのは、同地域の脆弱性に取り組むための知見や方法を共有し、脆弱性の限界を克服するための、ロバスト性という概念である。ロバスト性とは、社会や環境における不安定な平衡点やレジーム・シフトを許容しながら、摂動を巧みに制御することでリスク回避へと導く。多様な集団を抱える肥沃な三日月地帯においてはロバスト性の実現こそが、目指すべき目標となるのではないだろうか。シンポジウムの参加者は、肥沃な三日月地帯の多様な社会・環境に関する複雑なシステムを可視化するための異なる方法論、統計分析、化学分析、数学モデリングなどを検討していく。

2023年3月11日

終了しました

不確実性と対話する人類学:法律・経済・芸術・宗教の現場から

本研究会の目的は、法律、経済、芸術、宗教といった領域から、現地調査をもとに「不確実性」という概念と対話し、日々変化する確実性なき現代社会に新しい解釈を提供することです。 不確実性(uncertainty)という語は、近年になって異なる学問分野において様々な意味合いで使用されており、本研究会ではA・アパドゥライの『不確実性の人類学』(2020、原著は2016)に着目します。