越境するケア:インド・アフリカ・英国をつなぐ<社会的なもの>の学際的考察
20世紀初頭の西欧諸国による植民地化を機に、東アフリカには多数のインド系の人々が移住し、アフリカにおけるインド系の共同体を形成することになる。その後の1972年のウガンダからのインド系移民強制追放に顕在化されるように、インドとアフリカは複雑に絡み合った歴史を抱えてきたのだが、それにもかかわらずインド研究者はアフリカに、アフリカ研究者はインドに十分な目を向けてきたとはいえない。本ワークショップでは、旧大英帝国の植民地主義下の歴史・記憶によってつながれたインド・アフリカ・英国において、インド系ディアスポラがどのように在地の「インド人」・アフリカ人・英国人などさまざまなアクターと交渉しながら独自の<社会的なもの>──フォーマルな社会福祉の制度/インフォーマルな人と人とのつながり──を形作ってきたのか、ケアの文化に焦点を当てて学際的視座から明らかにすることをめざす。