教育とイスラーム―公教育から見た宗教文化の多様性

紹介・概要 本シンポジウムでは、「公教育」をテーマに、世界の宗教文化の多様性とその社会的な位置づけを、様々なフィールドで研究を続ける3名の研究者の報告と、2名のディスカッサントの議論から展望します。
形式 シンポジウム
開催日 2023年9月7日(金)14:30〜17:00
会場

東京外国語大学アゴラ・グローバル(プロメテウス・ホール)

プログラム・概要/趣旨
趣旨

先般、改定された学習指導要領(2020年度に小学校、2021年度に中学校で完全実施)では、道徳の時間に代えて道徳を教科とし、特に宗教文化に関わる内容として、「人間の力を超えたものに対する畏敬の念」をあげています。しかし、「多様な価値観」に触れて対話的な学びを目指す道徳が、実際には「宗教」の多様な在り方については触れていない点については、様々な課題も指摘されています(日本学術会議・哲学委員会『道徳科において「考え、議論する」教育を推進するために』 2020年)。

ひるがえって見ると、世界の公教育における宗教の在り方は多様です。たとえば、国教制をとるイギリスでは義務教育に宗教科も含まれますが、時代や社会の要請に応じた様々な変遷が見られ、ライシテの原則から宗教教育が禁止されるフランスでは、スカーフ問題のように、宗教への帰属と教育の権利の関係が問われてきました。ムスリムが多数を占める地域でも、たとえば、バングラデシュの公教育では、キリスト教や仏教などの4つの宗教科目の選択が可能です。世俗主義を掲げ、女子学生のスカーフの着用を制限したトルコでは、女性の教育機会を妨げるものとして争点となり、現在では容認されています。

本シンポジウムでは、このような公教育から見た宗教文化の多様性とその社会的な位置づけを、様々なフィールドで研究を続ける3名の研究者の報告と、2名のディスカッサントの議論から展望します。

次第

趣旨説明 八木久美子(東京外国語大学教授)
第1報告 桜井啓子(早稲田大学教授)「イランの公教育とイスラーム」
第2報告 布川あゆみ(東京外国語大学准教授)「ドイツにおける宗教科とイスラーム」
第3報告 松山洋平(東京大学准教授)「日本の公教育はイスラームをどう語るか」
ディスカッサント1 久志本裕子(上智大学准教授)
ディスカッサント2 小林春夫(東京学芸大学教授)
司会 外川昌彦(東京外国語大学教授)

申し込み方法・締め切り

登録不要、直接お越しください。

参加費

不要

言語

日本語

主催

日本宗教学会

後援

東京外国語大学総合文化研究所、「現代南アジアにおけるムスリム社会の多極化の傾向」(基盤研究A、19H00554、研究代表者・外川昌彦)

連絡先

jars82nd[at]gmail.com ([at]を@に変えてください)

関連URL https://jpars.org/conference/archives/1043