【フィールドネット・ラウンジ】不確実性と対話する人類学:法律・経済・芸術・宗教の現場から

Fieldnetをご活用いただく場として設けましたフィールドネット・ラウンジに採択された企画です。

ラウンジ企画一覧はこちらをご覧ください。(今年度の募集は締切ました)

日時

2023年3月11日(土)
13:00-18:00 (12:45開場)

場所 Zoomによるオンライン開催
共催 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所(AA研)、東京外国語大学フィールドサイエンスコモンズTUFiSCo
参加方法 ※要事前登録 ※参加無料
参加登録はこちらから。
(申込期限:2023年3月10日(金)正午まで)

要旨

本研究会の目的は、法律、経済、芸術、宗教といった領域から、現地調査をもとに「不確実性」という概念と対話し、日々変化する確実性なき現代社会に新しい解釈を提供することです。
 不確実性(uncertainty)という語は、近年になって異なる学問分野において様々な意味合いで使用されており、本研究会ではA・アパドゥライの『不確実性の人類学』(2020、原著は2016)に着目します。米国やインドの金融市場が孕む不確実性について先物取引を通して考察するアパドゥライの研究は、現代における巨大な金融装置は、取引の不確実性やリスクを管理するのではなく、それを利用して金儲けすることによって、大きな金融危機に導いたことを批判的に考察しました。アパドゥライはM・ウェーバーとの対話を通じて、金融・経済における危機と倫理面の欠陥との関係性を論じています。とりわけ、不確実性を検討する際、身体・言語の役割に注目します。この身体・言語・倫理といったミクロのレベルから不確実性を検討する視点を共有し、本研究会では、法律、賭け事、芸術品の競売、宗教実践について調査を行う若手研究者が発表します。また、人類学の多様な視点から現代社会の不確実性を検討し、理解を深めることを目指します。そのうえで人類学者の岸上伸啓氏(国立民族学博物館)、中川理氏(国立民族学博物館)、田中雅一氏(国際ファッション専門職大学)をコメンテーターに招き、議論を行います。

プログラム

13:00-13:05

フィールドネットからの挨拶

13:05-13:15

趣旨説明

13:15-13:45

永井文也(恵泉女学園大学 助教)
「権利の確定性を取り巻く不確実性――カナダ西部における先住民族の権利をめぐる交渉と和解を事例に」

13:45-13:50

質疑応答

13:50-14:20

劉 振業(京都大学大学院 博士課程)
「不確実性との対話から排除される――マカオのカジノにおける東南アジア人労働者(「オイロウ」)の事例から」

14:20-14:25

質疑応答

14:25-14:35

休憩1

14:35-15:05

張 詩雋(北京大学 PD)
「確実さなき北京芸術市場――オークション・ハウスの競売活動を事例に」

15:05-15:10

質疑応答

15:10-15:40

川本直美(岡山大学 客員研究員)
「聖なる存在と名前――メキシコ西部村落における聖像への呼びかけの実践から」

15:40-15:45

質疑応答

15:45-15:55

休憩2

15:55-16:15

コメント1: 岸上伸啓(国立民族学博物館 教授)

16:15-16:35

コメント2: 中川理(国立民族学博物館 准教授)

16:35-16:55

コメント3: 田中雅一(国際ファッション専門職大学 副学長/京都大学 名誉教授)

16:55-17:55

総合討論

17:55-18:00

閉会の辞

* ワークショップ後の懇親会はございません。

問い合わせ先

張詩雋(企画責任者) shijun.z[at]outlook.com  * [at]を@に変更してご送信ください。