宮本常一 〈抵抗〉の民俗学—地方からの叛逆
東京一極集中が進む戦後の日本で、地方に残った人々は「自前の生活」の探究に苦闘した。本書は民俗学者・宮本常一と離島青年達が展開した文化運動を掘り起こし、都市化や国土開発への「抵抗」を描いた民族誌である。
東京一極集中が進む戦後の日本で、地方に残った人々は「自前の生活」の探究に苦闘した。本書は民俗学者・宮本常一と離島青年達が展開した文化運動を掘り起こし、都市化や国土開発への「抵抗」を描いた民族誌である。
真の学際的協働とは何か。ともにフィールドサイエンスである人類学と霊長類学の協働のあり方の探究は、忌憚ない議論の応酬を経て、個別の学問領域を越えた学際研究の方法論を射程に入れた普遍的な問いへと深化する。
本書は2008年刊行の同書新装版である。当時まだ若手だった小川光彦、榎本渉、向井亙、四日市康博、森達也が碇石・木材・タイ産陶磁・銀・中国陶磁について論考を寄せ、多角的な海域アジア史像を提示している。
自明の存在であると思われている「語」は、言語学においては定義が困難な存在でもあります。本書は言語類型論的見地から環太平洋地域に分布する諸言語を対象に「語」の本質を問い直すことをめざした論文集です。
人類は常に絶滅の危機に直面してきた。人類の生存と存続の極限状態をより広い進化的な視野からとらえ、それが社会のあり方をどのように変え、また決定してきたかを探究した人類学と霊長類学による共同研究の成果。
本書は、ベナン共和国をフィールドとしつつ、1980年代以降アフリカで急速に成長するペンテコステ・カリスマ系教会の潮流を視野に入れ、教会の興隆理由と霊的領域のダイナミクスを論じたマルチモーダル民族誌です。
観光地を襲う災害にあっては、物理的な一次被害に加えて、観光客の激減という二次被害が深刻である――津波被災後のプーケットが直面した「風評災害」と、そこからの「復興」を描いた「観光×災害」の民族誌。
現代における先住民族と法の複雑な関係について、複数分野を横断する執筆陣が解説する。「第1部 多様なテーマから考える」と「第2部 国や地域の中で考える」に分かれており、全16章からなる。
ラテンアメリカ諸国は類似した経験を共有しながら各国の政治的特徴も多様である。国際社会との関係や歴史の変遷を読み解き、日本や欧米諸国などと対比しながらラテンアメリカ政治史の全体像を俯瞰する新しい概説書。
近代日本の美術史家岡倉天心の1902年のインド訪問を、宗教改革運動家スワーミー・ヴィヴェーカーナンダとの思想的交流を通して検証する。国境を越えた両者の知的変革の軌跡を、日印の資料を紐解いて描く。