フィールドワーカーから寄せられた地域別の現地情報です(2010-2015年頃)
レソト
1.外務省ホームページ 各国・地域情勢
レソト王国: http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/lesotho/index.html
2.旅行情報(空港、ホテル、換金/TC、治安など)
空路でレソトに入るには、必ず南アフリカ・ヨハネスブルグを経由しなければならない。南アフリカ航空がヨハネスブルグとレソトの首都マセルとを結ぶ。空港から市街地までの交通手段は、2009年時点では1台の乗り合いタクシーがあるのみ。これは個人経営のタクシーで、市街のホテルをまわってくれる。席が空いていたらその場で乗ることができるが、事前に電話予約をしておくと、確実であるし、税関から出てくるのを待っていてくれる。なお、その時の係員にもよるが、税関では申告がなくてもスーツケースを開けさせられることがあるので時間がかかることも。ノートや文房具を含めた新品のものは、税関でお金を払わされるので要注意。
街中での交通手段は乗り合いタクシーがある。タクシーが通るルートは決まっており、運賃もルートごとに一律である。しかしマセルの街自体が小さいため、日常的な用事(買い物・銀行・郵便局など)であれば徒歩で移動することも可能。車をハイヤーすることもでき、その場合は半日もしくは1日単位で値段が決まっている。その値段は、タクシー会社による。
レソトには独自の通貨(ロチ)があるが、共通通貨地域の同盟により南アフリカのランドと同価で結ばれており、ランドがそのままレソト国内でも使える。そのため、ヨハネスブルグの空港でランドに換金しておくと便利。また、日本の銀行のインターナショナルカードがあれば、市内のATMを使って日本の口座から現地通貨で現金を引き出すことが可能。
治安は、日中であれば女性の一人歩きも問題なくでき、良い。しかし夜は出歩かない方がいいと言われている。特に、近年小売業で幅を利かせる中国人に対する感情が穏やかでないため、注意が必要である。
3.医療情報
国立のクイーンエリザベス2世病院がマセル最大の病院であるが、安く治療が受けられるため大変混雑している。したがって、周辺の開業医もしくは国境を越えて南アフリカに行って医者にかかる必要がある。
4.通信環境
携帯電話が国のほぼ全域で使える。プリペイド式のスターターキットを買えば、南アフリカで使用していた携帯電話も使える。インターネットは、主要ホテルであれば無線ランが通っている。中国人が経営するインターネットカフェも街の中心にあるため、メールチェック程度であれば便利である。
5.ビザ、調査許可
44日間以下の滞在であれば、ビザは必要ない。それ以上の滞在は、3か月のTemporary Resident Permitが必要となる。2009年時点で1600ランド。Ministry of Home Affairsに行って申請する。
調査のためのビザはない。
6.カウンターパート、来日経験のある研究者
レソト国立大学のVisiting Research Associateになることが可能。2005年時点で、1年間240ドル。この場合、調査終了時に調査内容に関するセミナーを開かなければならないが、期間中研究室が提供される。大学はマセルから車で30分ほど離れたローマという町にあり、そこは学生が使用するレストランが数件と、中国人が経営するスーパーが正門の前に並ぶ程度である。近辺に部屋を借りて研究室に通うことも可能である。
7.大学図書館、アーカイブス、本屋
レソト大学の図書館が、国内で最大である。入館する時にIDと手荷物のチェックを受ける。コピーは自分ではできず、コピーをする部署にやってもらうが、あまり上手ではない。原稿がはみ出ている場合もある。場所は前述のとおり、マセルからは車で行く必要がある。
住所:P.O.Roma 180, Lesotho
電話:+266 22 213404
HP:http://www.nul.ls/library/
モリジャ・ミュージアムには、大きくはないがレソト研究に関連するアーカイブスが併設されている。受付をすれば誰でも入室することができる。ここでもコピーは自分ですることができないので受付に申し込むことになる。場所はマセルから車で30分ほどかかる。
住所:Ha Matela, Morija, Mafeteng, Lesotho
電話:+266 2236 0306
HP:http://www.morija.co.ls/
Department of Land, Surveys and Physical Planningでは、レソトの航空写真や地図を購入することができる。場所はマセル市内で、中心部にあるホテルからなら徒歩で行くことが可能である。
住所:Lerotholi Rd, Maseru, Lesotho
本屋はマセルに1件あるが、小学・中学・高校のテキストが中心で、学術的な書籍については品ぞろえが少ない。文献の収集は、むしろ隣国南アフリカでおこなった方が良い。
8.機材・資料の持ち出し、持ち込み
レソトから日本へ荷物を送るには、郵便もしくは民間のDHLがある。郵便局では中身のチェックをされるため、荷物の封はせず、ガムテープを持参したほうが良い。
9.調査グッズの現地調達
簡単な文房具程度であれば、マセルのスーパーで購入することができる。しかしデジタルカメラやその他の電子機器になると、やはり南アフリカに行った方が手に入る。
10.日本人研究者情報/これまでの調査、科研
自然環境、歴史、政治、経済、宗教、文化など各分野で活躍する研究者など
美留町菜穂(King’s College London)
国際河川の管理について関心があり、レソトと南アフリカを流れるオレンジ川だけでなく、ガンジス川やメコン川を対象としたフィールドワークもおこなう。
11.そのほか、各地域情報など
(2013年2月現在 松本美予)