フィールドワーカーから寄せられた地域別の現地情報です(2010-2015年頃)
ルーマニア
1.外務省ホームページ 各国・地域情勢
ルーマニア: http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/romania/index.html
2.旅行情報(空港、ホテル、換金/TC、治安など)
空港
日本とルーマニアを結ぶ直行便はない。ヨーロッパの諸都市を経由するパターンが多く、たいていは乗り継ぎも悪い(深夜に到着したり、中継地で一泊する必要がある場合も)。費用やフライト時間の点では、ヘルシンキ経由かイスタンブール経由が便利。
ヘンリ・コアンダ空港(オトペニ空港の旧名で呼ばれることが多い)からブカレスト市内まではタクシーなら40分、バスなら1時間弱。ブカレストのタクシーは、ドアに1kmあたりの値段が表示されている。タクシーごとに異なっているので、乗車前に確認する。メーターをきちんとスタートさせるため、後部座席ではなく助手席に乗ること。
ホテル
ブカレストの中心地であるマゲル通りやヴィクトリア通り近辺に多い。設備やサービス、物価の面からすると、料金は割高。支払いは現地通貨が基本だが、クレジットカードを利用できるところも多い。
換金/TC
外貨の換金は、銀行または「EXCHANGE」の看板を出した両替所で行う。両替の際にはパスポートの提示が必要。レートは日や店によって異なっており、看板に表示されている。外貨を現地通貨(Lei)に替える際には、「Cumparare(買い)」を確認する。レートが良くても、手数料の必要な店もある。
日本円を交換できる店もあるが、レートは良くない。ユーロか米ドルを持参するのが便利。TCは高級ホテルなどで利用できるがレートは悪く、換金も難しい。またPLUSなどの国際キャッシュカードを利用できるATMが多くあり、現地通貨を引き出すことができる。
現地通貨はLei(単数形はLeu)で、2005年に4桁のデノミを実施した。デノミ前は、例えば17,000Leiを「17」と呼び習わしており、これは英語を話す際にも適応された。現在でも同じように表現することがあり(デノミ後は、「1Leu7Bani」となる)、慣れていないと混乱させられる。
治安
都市部での治安は悪化している。闇両替詐欺、偽警官詐欺、盗難(バス内でのひったくりなど)には注意が必要。夜間の一人歩きは危険(街灯も暗い)で、特にブカレスト・ノルド駅周辺には近付かない方が良い。ロマの物乞いも多い。ロマの少年に集団で囲まれることもあるが、相手にせず逃げた方が良い。
3.医療情報
ルーマニア政府は入国に際し、必要な予防接種を規定していない。しかし、長期の滞在や農村部での生活を予定しているなら、A型肝炎・B型肝炎・破傷風・狂犬病の予防接種を済ませておいた方が安全。街中にはドラッグストアが多くあるが、購入には処方箋が必要が場合もあり、外国製の医薬品は高価である。抗生物質や解熱剤などは一通り持参した方が良い。
国公立の病院や医院はルーマニア人の患者で溢れかえっており、かなりの待ち時間を要する。設備も古く清潔さに問題のある場合もある。最新設備を整えた民間の病院もあり、事前に予約をしてから赴く。待ち時間もほとんどないが、割高である。
4.通信環境
首都ブカレストを始め、地方都市にはネットカフェがある。端末は古く、日本語の入力は不可能で閲覧もできない場合がある。店によっては、持参したPCをLANにつなげてくれる。館内に無線・有線LANの設備の整ったホテルもある。
携帯電話はGSM方式で、国内のほぼすべてのエリアで使用可能。GSM対応機種であれば、日本国内で使用しているものをローミングできる。ただし通信費は割高。パスポートを持参すれば、街中の携帯電話店でSIMカードを購入できる(カード式のプリペイドタイプ)。オレンジ色の公衆電話はカード式になっており、国際電話も可能。カードは「Cartela Telefonica」の表示のある店舗やキオスク、電話局で購入できる。
5.ビザ、調査許可
90日以内の観光目的の滞在であれば、ビザを必要としない。それ以上の滞在には、目的に応じてビザを取得する必要がある。在日本ルーマニア大使館ではビザの発給業務を行っていないので、ルーマニア入国後に内務省外国人局に直接出向く必要がある。
2007年1月のEU加盟と同時にシェンゲン協定にも加盟しているが、実施期日は未定とされる。以前は、90日の査証免除期間の終了以前に、近隣国に一度出国して再入国すれば、さらに90日の査証免除滞在が認められた。しかし、現在では事実上不可能になっている。
6.カウンターパート、来日経験のある研究者
7.大学図書館、アーカイブス、本屋
大学広場に面したブカレスト大学歴史学部には教科書や専門書を扱う店舗がある。その近辺やマゲル通りなどにも専門書を多く扱う書店が多い。外資系のマーケットやショッピングモールなどでも一般書籍・専門書を購入できる。
8.機材・資料の持ち出し、持ち込み
ルーマニアから郵送する場合、国際郵便を扱っている郵便局に封をせずに持っていく。日用雑貨や書籍などには高額の関税はかからないが、電化製品の関税は高額である。安全かつ迅速に郵送したい場合は、割高だがDHLなどのクーリエ便を利用するとよい。
9.調査グッズの現地調達
ブカレストや地方都市ではCarrefourやBricostoreなどの外国資本の大型マーケットがあり、必要なものは大体そろう。ただし、電子機器などは種類が少なく、旧型の商品が高額で売られている。文具も品質や使い勝手で劣るものが多いので、その点を重視するなら大量に持参する方が良い。
10.日本人研究者情報/これまでの調査、科研
直野敦(言語学) 伊藤太吾(言語学) 吉井昌彦(経済論) 新免光比呂(宗教学) 新渡戸常憲(音楽美学・芸術学) 中島崇文(歴史学)
11.そのほか、各地域情報など
ビジネスアワー
官公庁は8:00~16:00、銀行は9:00~17:00だが、土日は完全に休み。業務内容によって曜日が決められていたり、担当者の不在で受け付けてもらえないこともある。イースター、クリスマスから年末年始、さらには7~8月のバカンス中には多くの職員が不在となり、事務処理機能が停滞する。
言語
官公庁や銀行、ホテルなどでは英語を解する職員がいる。しかし、店舗・レストラン・切符売り場などではルーマニア語しか通じない場合も多い。
電圧
電圧は220V、コンセントの形状は丸2ピン欧州タイプである。スタビライザーがなくてもPCの使用は可能であるが、電圧変動が大きく故障する危険性がある。スタビライザーを使用した方が安全。