フィールドワーカーから寄せられた地域別の現地情報です(2010-2015年頃)
グアム
1.外務省ホームページ 各国・地域情勢
2.旅行情報(空港、ホテル、換金/TC、治安など)
空港
グアム国際空港へは、日本の主要都市の空港から、JAL・ANA・コンチネンタルなどのグアム行きの航空便が出ている。現地では自家用車を利用する人がほとんどのため、公共交通機関があまり発達しておらず、空港からの移動にはタクシーやレンタカーなどを利用することになる。
ホテル・交通
グアムでの調査を目的とした数週間以上の滞在で、予算が限られている場合、友人・知人宅以外に適当な宿泊場所を確保するのはなかなか難しい。タモン(Tumon)地区のビーチ近くにはリゾートホテルがひしめいているが、宿泊費がかさむ。宿泊費を抑えたいのであれば、ビーチから離れたホテルや数は少ないがハガッニャなどタモン以外にあるホテルを探すとよい。また、マンギラオにあるグアム大学の寮は調査などで来た研究者にも空きがあれば利用可能である。大学周辺にはアパートも多数ある。
路線バスは便数が少ない。観光客向けのシャトルバスは行き先が限られている。そのためあちこち移動するのであれば車を借りるのが便利である。レンタカーは週単位や月単位で割引になっている会社が一般的である。大手レンタカー会社ももちろんあるが、地元の会社であれば古い車を安く貸してくれる場合もある。
グアムに到着してから30日間は日本の自動車運転免許証で運転可能である。それを超えてからは国際運転免許証か現地やアメリカ合衆国他州の運転免許証が必要となる。
換金/TC
現地通貨はアメリカ国内のためUSドルであるが、タモンでは日本円が使える店もある。換金は空港でも行える。グアム銀行、ファーストハワイアン銀行、ハワイ銀行、シティバンクなどがある。ATMもあちこちにある。
治安
治安に関する大きな問題はおそらくないが、暗い時間帯の人通りの少ない場所は気をつけたほうがよい。タモンでもひったくりなどの被害にあう観光客がいるようである。在ハガッニャ日本国総領事館のウェブサイト(http://www.hagatna.us.emb-japan.go.jp/index_j.htm)も参照。
3.医療情報
予防接種
予防接種の必要性は一般的にあまり言われない。JOHACのウェブサイト(http://www.johac.rofuku.go.jp/world/Oceania/Guam.html)を参照。
衛生
現地ではほとんどの人は水道水を飲まない。ミネラルウォーターが一般的である。スーパーのほかに、ミネラルウォーター専門店や小規模商店に付設されたコイン式の給水機などでも手に入れられる。
レストランは衛生面でABCの3つにランク分けされている。ちなみにファーストフードやファミリーレストランのほかに、中華・コリアン・ベトナム料理の店やラーメン屋などが多い。ハガッニャのチャモロビレッジにはチャモロフードのお店がいくつかある。
コインランドリーがあちこちにある。グアム大学の寮にもある。
日差しが強いため、肌を露出した状態で長時間外にいると危険である。肌が真っ赤になった観光客をよく見かける。
建物のなかは極度に冷房が効いているので要注意。とくにグアム大学の図書館等は上着があっても長時間は耐えられないかもしれない。
ビンロウ(betel nut)やカヴァ(kava)が現地の嗜好品となっている。ビンロウはチャモロやミクロネシアの他の島出身者の多くの人びとがたしなむ。カヴァ(シャカオ)はおもにポンペイ出身者が夜に集まって飲んでいる。それぞれ健康上の問題も指摘されている。
病院
グアム記念病院(GMH)が一般の人びとにとっての主要病院である。米軍関係者はグアム海軍病院を利用できる。
4.通信環境
電話
公衆電話は人通りの多いところにはあると思われる。ショッピングモールやスーパーなどで見かける。大学にもある。グアム大学の図書館の入口にある電話は無料で使える。
日本の各携帯電話会社の海外サービスの対象地域に入っている。現地の携帯電話はショッピングモールなどの携帯電話販売店で売っている。プリペイドカードを使うタイプであれば、アメリカの銀行口座がない人でも購入できる。その場合、日本などへの通話も比較的安い。
インターネット
ホテルのラウンジや街のカフェなどでワイヤレスインターネットが利用できる場合がある。タモンやマンギラオにはインターネットカフェもある。
グアム大学にコンピューターラボがあるが関係者以外は利用禁止となっている(入室は自由にできるが、警備員によるIDチェックのための巡回がときどきある)。学内のワイヤレスも所属する学生・教員なら利用できるように設定してもらえる。またグアム大学図書館で文献検索用に置いてあるコンピューターの一部はインターネットが利用できる。
グアム公立図書館でも申請すればインターネットを利用できる。
5.ビザ、調査許可
グアムはアメリカ領であり、出入国管理はアメリカ政府が担っている。そのため、アメリカのビザ免除プログラムによって、商用または観光などを目的とする90日以下の滞在は、諸条件を満たしていればビザが必要ない。さらに、グアムビザ免除プログラムに代わったグアム・北マリアナ諸島連邦ビザ免除プログラム(2009年11月28日から)によって、45日以下の滞在は、ビザだけでなくESTA(電子渡航認証システム)申請も必要ない。ビザ免除プログラムの詳細は外務省サイト(http://japan.usembassy.gov/j/visa/tvisaj-gcwvp.html)を参照。
90日を超えて滞在する場合はビザが必要である。フィールドワークであれば、学生(F-1)ビザや交流訪問者(J-1)ビザなどが関係する。調査許可といったものはない。交流訪問者ビザに必要な証明書(DS-2019)をグアム大学が現在発行可能かどうかは不明(2006年の時点ではグアム大学は発行資格を失っていた)。
6.カウンターパート、来日経験のある研究者
グアム大学にグアムやミクロネシアの他地域をフィールドにする考古学者、人類学者、歴史学者などが在籍している。
Historic Preservation Office(http://www.historicguam.org/index.htm)にも考古学や歴史系の専門家が在籍している。
7.大学図書館、アーカイブス、本屋
大学図書館
グアム大学図書館(http://www.uog.edu/dynamicdata/LibraryHome.aspx?siteid=5&p=53)は外部の研究者でも数週間有効のカードを作ってもらえる。それで図書を借りることもできる。Micronesian Resource Fileにはグアムやミクロネシア関連の論文や記事のコピーがまとめられているので役立つ。
グアム大学のミクロネシア地域研究所(MARC)(http://www.uog.edu/dynamicdata/MicroAreaResearchCenter.aspx?siteid=1&p=52)にもグアムやミクロネシア関連の書籍や資料が所蔵されている。
その他の図書館
グアム公立図書館 http://gpls.guam.gov/
グアム法律図書館 http://www.guamlawlibrary.org/
これらの図書館はハガッニャにあり、所蔵している公文書や新聞などのコピーができるので便利である。
本屋
グアム大学の本屋は他に比べると研究書やグアム・チャモロ関連書籍の品揃えはよい。グアム大学のMARCで出版されたものであれば、MARCの建物の2階事務室で直接購入可能である。あとはマイクロネシアモールやグアムプレミアアウトレット(GPO)などのショッピングモールにも本屋が入っている。ハガッニャのショッピングセンターの斜め向かいのマクドナルドの近くにもキリスト教系の本屋があり、チャモロ文化関連の書籍を販売している。
8.機材・資料の持ち出し、持ち込み
郵便局
タムニンとバリガダに大きな郵便局がある。ハガッニャやタモンからはタムニンのほう、マンギラオのグアム大学からはバリガダのほうが若干近い。
9.調査グッズの現地調達
上に挙げたショッピングモールのほかに、24時間営業のKマートもあり、だいたいのものは現地でも揃えられる。
10.日本人研究者情報/これまでの調査、科研
考古学: 印東道子、倉品博易、高山純
歴史学: 樋口和佳子、池田佳代
神学: 高山勝
政治学: 手島武雅
経済学: 松島泰勝
文化人類学: 前川啓治、遠藤央、安井眞奈美
社会学: 山口誠、長島怜央
11.そのほか、各地域情報など
Guampedia(http://guampedia.com/)はグアムの基本情報や歴史・文化についての専門家による解説を得られるので非常に役立つ。
グアムの南部には古い町並みが残っており、保存する取り組みがなされている。
台風やトロピカルストームが来ると大きな被害が出るので気をつける必要がある。
北部にアンダーセン空軍基地、南部に海軍基地がある。イベントのあるときや米軍関係者の友人・知人の付き添いがあるときは一般人でも基地内に入れる。
日本国総領事館はタムニンのマリンドライブ沿いにあるITCビルのなかに入っている。在留届、運転免許証の取得などのときにお世話になる。同じ建物に日本人会の事務所もある。日本人学校はマンギラオにある。
グアム政府観光局はタモンの南端にある。観光用のパンフレットなどのほかに必要な情報が入手できるかもしれない。
長島怜央