フィールドワーカーから寄せられた地域別の現地情報です(2010-2015年頃)
フランス
1.外務省ホームページ 各国・地域情勢
フランス: http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/france/index.html
2.旅行情報(空港、ホテル、換金/TC、治安など)
パリへは日本(成田、関西)からの直行便が毎日運航されている。直行便は、エールフランス、日本航空、全日本空輸の3社から出ており、所要時間がおよそ12時間である。そのほか経由便が、ヨーロッパ経由(AUA:ウィーン、KLM:アムステルダム、SWR:チューリッヒ、DLH:フランクフルト、SAS:コペンハーゲン)か、アジア・東南アジア経由(KAL:ソウル、CPX:香港、MAS:クアラルンプール、THA:バンコク)か、の2ルートで存在する。所要時間はヨーロッパ経由でおよそ15時間から17時間、アジア・東南アジア経由でおよそ17時間~20時間である。ソウル経由のKAL便は福岡・札幌からの発着があり、関西・中部発のEK便はドバイ経由ルートがある。
フランス国内各地へは、パリまたはヨーロッパ主要都市を経由し、ストラスブール、リヨン、ニース、マルセイユ、トゥールーズ、ボルドー等の各地方都市へと乗り継ぐことができる。また、国内便への乗り換えの他、目的地によっては隣国から列車で移動することも可能であり、その方が早い場合もある。遠距離含めバスも充実している。
EU統一通貨ユーロが使用されている。観光地付近には両替場が点在するため、現金、TCからの両替が可能だが、TCはそのまま使用できないことが多いので実用的ではない。都市部では自動販売機含め、クレジットカードの利用が一般的である。また街中にはATMが点在しており、国際キャッシュカードを持っていれば日本の銀行口座から直接現地通貨を引き出せる環境にある(各銀行の提携先は要確認)。
治安:地域にもよると思うが、悪くはないと感じる。また、日常生活のなかで銃器が振り回されることはほとんどない。しかし、エリアや時間帯によっては、スリ・置き引き・所持品の強奪等はしばしば起こっており、調査中の被害も耳にする。財布はもちろん、現代技術と結びついた日本人の外見はとりわけ物取りの目を引くようだ。カメラ、携帯電話、各種調査機器類は物取りの対象になるので注意が必要。
3.医療情報
緊急の場合は、国内電話「15」番で、サミュS.A.M.U. (Service d'Aide Médicale Urgente:緊急医療援助体制)につながる。サミュは公共機関でありフランス全土をネットワークで結んでいる、医師つき救急車といえる。電話での緊急医療相談は無料、救急車の依頼は有料。歯科は除く。
そのほか、パリ地域の救急施設については、外務省がリストを公開している。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/europe/france.html
薬局pharmachieは市街地の随所に点在している。
4.通信環境
ノートパソコンを持参して、電話線経由で国内のアクセスポイントにつなぐか(フランス用モジュールアダプター、電源アダプター等の確認は必須)、無線LAN(Wi-fi)にアクセスできれば利用可能。地域によっては公衆無線LANのアクセスポイントの無料提供されていることもある。都市部にはネットカフェもできており、日本語のキーボードも使えることも、一部ではあるが可能。
標準電圧は220V、周波数50Hz。日本国内用の電化製品を使用するには変圧器とプラグが必要。
5.ビザ、調査許可
日本のパスポートを持っている人の場合、3か月以内の滞在ならビザは不要。ただしパスポート有効期限が滞在日数+3か月以上残っていることが条件。
3ヶ月以上滞在する場合は、ビザ申請が必要
学生ビザの場合は、入学証明や経済証明等を持って移民局で手続きをする。
そのほか研究者の滞在でビザの申請が可能なのは次の場合
1)短期研究者ビザ
フランスの大学や国立研究所等公認機関に研究目的で3ヶ月以内滞在する場合で、給料や奨学金等の資金をフランス側から得る場合
2)長期研究者ビザ
フランスの大学や国立研究所等公認機関に研究目的で3ヶ月以上滞在する場合。資金がフランス側から出ても日本側から出ても構わない
※ 研究者に同行する家族には研究者の同行家族ビザが発行される。
3)ビジタービザ
フランスの公的機関に所属することなく、3ヶ月以上、就労目的以外の理由で滞在する場合。最長1年まで。現地入国後3ヶ月以内に移民局での手続きが必要。また1年以上滞在する場合は、ビザの期限が切れる2ヶ月前までに滞在許可証の申請手続きを行う必要がある。
(1)(2)は調査滞在に適応されるものではなく、所属機関が現地にある場合のみとなる。
法律が変更になることも多いので、詳しくは在日フランス大使館で確認のこと。
・調査に際しての許可
テーマや機関等によるだろうが、調査に際してあらかじめ国から許可を得ることは義務づけられていない。
6.カウンターパート、来日経験のある研究者
7.大学図書館、アーカイブス、本屋
・フランス国立図書館(旧館(リシュリュー)/新館フランソワ・ミッテラン図書館)
フランソワ・ミッテラン図書館には、一般用と研究者用のスペースがある。一般利用者用の閲覧スペースは、入館のチケット制。入口ホールのカウンターか,自動販売機で買う(1日利用券、年間パス等、種類あり)。学生割引あり。マイクロフォルム,デジタル化された資料の閲覧ができる。資料は一部を除きコピー可。主題によっていくつかの閲覧室に分かれている。研究者用の閲覧スペースに入るには、パスの作成が必要。パスを作成するには、あらかじめカタログで閲覧対象になっている文献をピックアップし、それが一般閲覧不可能な文献と特定されていてはじめて研究者用サロン利用パス作成手続きに入れる。身分証明証と研究者であることの証明(所属や在職・在学証明等/籍は日本でも構わない)、研究・調査の内容等をブースで担当者に告げて許可されればよい。サロン入口では荷物を預け、透明バックに必要物のみ入れ替えて入室する。開架式ではないし、取り寄せた資料を返却しない限り出口からの退室にはブロックがかかる。資料によっては事前予約が必要なものもある。また閲覧席の予約制度がある。
BnF:Quai de la Gare 75013 Paris http://www.bnf.fr/fr/acc/x.accueil.html
フランスの図書館は資料の電子化が進んでいる。http://gallica.bnf.fr/
フランス国立図書館旧館の多くの資料がBnFに移転した。そのうち版画・貨幣・メダル等の専門部門と古文書学校附属図書館、国立美術史研究所(INHA)の3館がリシュリューに配置されることになった。
BN (Richelieu): 58, rue de Richelieu 75002 Paris
国立古文書館Archives Nationales
中世からの膨大な公文書が蓄積されている。革命(1789)以前資料として、王室文書室、国家文書、国務会議記録、諸官庁文書、法律・裁判記録等の文書資料が、革命後の資料としては革命議会記録等公文書の集積と、企業等私文書資料の集積があるとされている。隣接して、「パリ公証人記録中央保存所Minutier Central des Notaires Parisiens」がある。
http://www.archivesnationales.culture.gouv.fr/
パリには国立総合大学が13、グランゼコールと呼ばれる高等教育機関などが複数存在し、専門・専攻によってキャンパスが異なる。大学図書館は、基本的に入館者用カードが発行されているので、外部者の場合は受付で手続きが必要。
<私の場合>
かつてScience-Po(パリ政治学院)の図書館を利用したことがある。在学生の案内で受付にいき、研究内容を説明したところ利用可能となり、それ以後は1人でいっても使わせてもらえた。パスポートと在学機関の証明印つき調査概要・協力依頼文書を提示したかもしれない。 (植村清加)
・フランス民俗学・民族学・人類学関連アーカイブス
資料・調査拠点が再編されているので注意が必要。現在、旧民間伝承芸術博物館(MNATP)、新MuCEMは、人類学、フランスおよびヨーロッパ民族学、無形文化遺産関連の研究拠点にリフォームされ、研究中心地をマルセイユに移しているようだ。また旧人類博物館(Musée de l'homme)と国立アフリカ・オセアニア美術館にあった民俗学関連資料等、いわゆるプリミティヴ・アート(Beaux-Arts)関連を中心とする資料等は、2006年に開館したケ・ブランリ博物(美術)館に移動、ビブリオテックではなくメディアテックと改名されている。メディアテックは一般閲覧室と研究者閲覧室に分かれている。
MuCEM Paris:Les bureaux:6 Avenue Mahatma Gandhi 75116 Paris
MuCEM Marseille:Les bureaux:caserne du Muy, 7 rue Bugeaud 13003 Marseille
Les expositions : Esplanade Saint-Jean Marseille 13002
Quai du port, 13002 Marseille
Musée du quai Branly : 37, quai Branly 75007 Paris
【フランス民族学Ethnologie franaiseの動向に関する経緯】
フランスでは戦後すぐに、いわゆる[日本でいう日本]民俗学と民族学が同一学会に接続された。フランス民族誌学会(後に、フランス民族学会)が創設され、『フランス民族誌学会年報』が、次いで、それ以前までの民俗学主要学術誌を後継する媒体として『芸術と民間伝承』(1953-1970)が発刊される。そして、それを直接の継続前誌とする『フランス民族学』(1971-)が創刊され、現在に至る。この『フランス民族学』の創刊は、パリ・ブーロニュの森近くにある「民間伝承芸術博物館」の設立(1972)に合わせたものだった。フランス民族学の研究拠点も併設されたこの施設は、1937年、人類博物館内に「フランス展示室」が設けられたことを直接の起源としてできたものである。1972年以降、人類博物館と民間伝承芸術博物館(MNATP)は「人類博物館は世界各地の民族文化を、民間伝承芸術博物館はフランスの民族(民俗)文化を」という役割分担を行いながら研究を担ってきた。しかし、人類博物館が再編されるのと同時期に、民間伝承芸術博物館も2005年で閉館となった。今後は研究拠点をパリからマルセイユに移し、「ヨーロッパ・地中海文明博物館MuCEM」へと改称されて新たな博物館・研究拠点がつくられることになっている。MNATP で扱われていたものは、現代大衆文化を含めたヨーロッパ・地中海地域の民俗文化をクローズアップする形で大改造されるという。2012年に開館予定。
●参考:日本民俗学会での出口雅敏氏による報告●
http://wwwsoc.nii.ac.jp/fsj/regular_meeting/regular_meeting_data/abstract/842.html
<私の場合>
ポンピドゥーセンターの図書館やアラブ研究所センターの図書館や市立図書館等、一般に公開されている公共図書館も利用している。貸し出しはないが持ち物検査がある以外は、閲覧・コピーともに可能で、全国の新聞や雑誌、学術雑誌、映像資料等も見れる。アラブ研究所図書館にはアラビア語文献もある。ポンピドゥーセンターは混んでいて入るのに長い列に並ぶ日もある。また専門書ではないが、市立図書館も、地域や図書館のカラーによってマンガを揃えていたり、音楽や映像資料等にアクセスすることが可能。市立図書館は貸し出しに関しては、身分証明とフランスでの滞在住所の確認ができるもの等の書類を整え、カードを作成する必要がある。コピーがない場合もあるので、その点では面倒もある。そのほか、テーマによってはアソシエーション組織などが図書・資料室を公開しており、身分証明書を提示し研究・調査の内容を説明すれば利用させてもらえることがほとんどである。使用に際しては若干料金がかかる場合もある。以下いくつかの情報。 (植村清加)
■Centre National d'Art et de Culture Georges Pompidou
図書館が一般公開されている。1階に本屋あり
住所:19, Rue Beaubourg 75004 Paris
http://www.centrepompidou.fr/
BPI (bibliothèque publique d'information)
http://www.bpi.fr/fr/index.html
■Institut du Monde Arabe
図書館が一般公開されている。1階に本屋あり。
1, rue des Fossés Saint-Bernard, Place Mohammed V 75005 PARIS
http://www.imarabe.org/
■CIEMI (Centre d'Information et d'Etudes sur les Migrations Internationales)
1973年から移民関連の資料を集めたセンターとして活動している組織。定期刊行物や出版物のほか、多様な移住現象に関わる資料コレクションがあるほか、社会活動や複数組織とのネットワーク拠点にもなっている。
住所:46 rue de Montreuil 75011 Paris
http://www.cidii.org/biblio_fr/ricercaCIEMI.asp
■INED (Institut National d'Etudes Démographiques)
国立人口研究所。研究者や学生などがアクセスできる図書室もある。
住所:133 Boulevard Davout 75020 Paris
http://www.ined.fr/
■Documentation française
政府刊行物センター。刊行物の購入が可能。
124 rue Henri-Barbusse.
http://www.ladocumentationfrancaise.fr/
■本屋・古本屋
パリ5区は、パリ大学(Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ)があり、学生たちが使う文房具店・本屋のGibert Josephや、PUF、l'Harmattan、古本屋などが点在している。l'HarmattanのうちTiers Monde(16, rue des coles 75005 Paris)には人類学関連の書籍が多い。
8.機材・資料の持ち出し、持ち込み
郵便局からの場合:2キロ以内の郵便は、優先便かエコノミー便を利用することができる。それ以上重いものにはColissimoという小包便がある。箱代込みで3サイズあり(2キロ以内、6キロ以内、7キロ以内)、通常の小包料金より安く、それでいて2週間ほどで着き、保険をつけることもできる。急ぎの荷物はこれがよい。自分で荷造りした荷物の持ち込みや船便もある。
それ以外の荷物に関して、パリからなら、欧州ヤマト運輸:14, rue des Pyramides 75001 Paris /Tel 01 4297-5899と、フランス日本通運: 20 rue des Pyramides 75001 Paris /Tel 01 4703-1541などの扱いがある。営業所に持ち込むか、市内であれば集荷申し込みも可。船便もある。
9.調査グッズの現地調達
市街地では文具~USBメモリ、電池等消耗品関連の調達が可能
PC周辺機器・消耗品等は家電・携帯・CD・書籍・チケット等の販売を行っているチェーン店FNAC等が便利
10.日本人研究者情報/これまでの調査、科研
<文化人類学>
川田順造、宮治美江子、大森康弘(国立民族学博物館)蔵持不三也(早稲田大学)関一敏(九州大学)竹沢尚一郎(国立民族学博物館)渡辺公三(立命館大学)
三浦敦(ジュラ・社会経済/埼玉大学)寺戸淳子(ルルド・巡礼)
<若手>
出口雅敏(フランス民族学・ラングドック・儀礼・祝祭/早稲田大学人間科学学術院人間総合研究センター客員研究員)渋谷努(モロッコ・パリ地域・移民/中京大学)中川理(エクサンプロヴァンス・連帯経済/大阪大学)植村清加(パリ地域・移民/東京国際大学)足立綾(ピエ・ノワール/東京大学大学院)
1950年代にヨーロッパ社会の民間伝承の研究を岡正雄がスタートさせた他、1967年から1972年にかけて、梅棹忠夫が京都大学出身者を中心とし、生態学的アプローチを用いてヨーロッパ民族学の調査隊を3度組織した[森1996]。同時期には、渡辺金一(ビザンツ学者)と竹内啓一(地理学)を中心とした、一橋大学地中海研究会が創設される(1972)。学際的・地域越境的な研究の場であり、今日までCOEや科研調査と連動しながら続いている。1974からは三木亘(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)を研究代表者として「イスラム圈の社会文化変容の比較調査」という観点から、宮治一雄・宮治美江子がマグレブ地域とフランスで調査を開始している。1977年には全国的な学会組織として地中海学会が創設されている。
一方文化人類学によるフランス研究としては、大森康広が移動民族マヌーシュの映像民族誌を発表し(1977-)、新たなジャンルの開拓をスタートさせている。続く1980年代には宮治美江子がパリに移動したアルジェリア人に着目した移住と都市の研究を(1983-)、関一敏が聖母出現という宗教的な現象を人類学的な分析視角から扱った研究を(1983-)切り開いている。またアンドレ・ヴァラニャックに師従した蔵持不三也がフランスの民衆文化を扱い、その詩学と政治学を歴史的重層性とともに研究しはじめてフランス民族学を紹介していくとともに(1986-)、三浦敦がフランスの農村に関する社会人類学的研究(1989-)によって親族や地域環境・社会経済を日常的な社会的行為から明らかにしていった。
(参考文献)
森明子「ヨーロッパ――日本における民族学・文化人類学的研究」ヨーゼフ・クライナー編『日本民族学の現在』新曜社、1996
国際学術研究調査関係研究者データベースhttp://www.aa.tufs.ac.jp/~gisr/drosrp.html
また西アフリカをフィールドとする川田順造、竹沢尚一郎、嶋田義仁らがそれぞれにフランスの研究も行っている他、石塚道子らによる海外県マルティニーク研究の蓄積も存在している。今後こうした日本におけるフランス調査研究史を学際分野との関係や地域横断的な視点から整理しておくことも必要と思われる。
<社会学>
宮島喬(法政大学)伊藤るり(ジェンダー/一橋大学)辻山ゆき子(共立女子大学)中野裕二(駒澤大学)原聖(社会学・ブルトン・ケルト・言語/女子美術大学)稲葉奈々子(パリ・失業・SDF/茨城大学)高村学人(法社会学/立命館大学)平野千果子(植民地主義/武蔵大学)森千賀子(パリ郊外/南山大学)・・・
<地理学>
石塚道子(マルティニーク/お茶の水女子大学)
<言語学>
<地質学>
<昆虫学>
<植物学>
<考古学>
<歴史学>
<宗教学>
11.そのほか、各地域情報など
【概要・位置】
ユーラシア大陸の西部に位置し、西端は大西洋に、南は地中海に面する。国境を接するのは、北東にベルギー、ルクセンブルク、東にドイツ、スイス、南東にイタリア、モナコ、南西にアンドラ、スペインである。スイスとの国境にジュラ山脈、スペインとの国境にピレネー山脈があるほか、セーヌ川、ロアール川、ガロンヌ川、ローヌ川といった大きな川も含まれる。多様性豊かな自然環境に恵まれた「肥沃なl'Hexagone(六角形)」といわれる国土の面積は約55万km2であり、ヨーロッパ随一の農業国である。このほか4つの海外県(Départements d'outre-mer, DOM)と、6つの海外準県 (Collectivités d'outre-mer, COM)、ヌーヴェルカレドニーならびに無人島嶼(南方・南極地域、インド洋無人島群、クリッパートン島と南極大陸のアデリーランドがフランスの領土を構成する。
【政治システム】
共和制。本土および周辺の島嶼からなる22の地域圏(région)があり、各地域圏の首府に行政の中心が敷かれている。
地域圏はさらにいくつかの県(département) から構成される。現在、本土および周辺の島嶼に 96 県、海外に 4 県、合計100県で構成されている。
県より下位の行政区画として、郡(arrondissement)(330郡)、小郡(canton)(3880小郡)、市町村 (commune) (3万6569市町村)から構成されている。規模の大きな市町村はさらに区 (Arrondissement municipal) に分けられており、パリ市は20区に、リヨン市は18区に、マルセイユ市は17区から構成されている。このほか、都市共同体(communauté urbain)という形の市町村の協力形態や行政上の権限、税収等の組織を有する。
【言語】
公用語:フランス語
少数言語・地方語として、オクシタン語、クレオール語、アルザス語、ブルトン語、コルシカ語、バスク語、カタルーニャ語、タヒチ語が、非領土的言語としてベルベル語、アルメニア語、イディッシュ語および各地からの移民たちの言語等の言語的多様性が存在し、それらの社会的・制度的位置づけに関する論争は続いている。
【宗教】
1905年法制定以降、政教分離と公権力のライシテ(非宗教性・世俗性)が大原則として導入されているが、人口としてはカトリック、イスラム、プロテスタント、ユダヤ教となっている。
【時間】
サマータイム制を採用しており、3月の最終日と10月の最終日に時計の針を1時間ずらす。