地域情報アーカイブ Area Information

フィールドワーカーから寄せられた地域別の現地情報です(2010-2015年頃)

セネガル

1.外務省ホームページ 各国・地域情勢

セネガル: http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/senegal/index.html

2.旅行情報(空港、ホテル、換金/TC、治安など)

空港

 日本からセネガルへの直行便はないので、エール・フランスなどを使ってヨーロッパ諸国経由で入る。他に、フランス(パリ、リヨン、マルセイユなど)からセネガル国際航空やモロッコ航空に乗り換えてセネガルに入るといった方法もある。

ホテル

 インターネットから予約できるホテルは数多い。高級ホテルから簡易な宿泊所まで大きく4階級に分けられる。むろん同じ階級の宿泊先であっても都会の中心街になるほど値は上がる。低ランクの宿泊先では、エアコン等の設備は期待できない。また、部屋用の虫除けや蚊帳などを準備しておくのがよい。

換金

 空港(銀行が閉まる夜半を除く)や高級ホテルのほか、ダカールでは中心街にある独立広場まで行けば、近辺に主要な銀行が軒を連ねており、ユーロやドルをはじめ日本円から現地通貨(CFAフラン)への両替が可能。その際、パスポートの提示が必要なことがあるので持参しておくと安心。また、自動現金預け払い機が多く設置されており、ビザやマスターカードを使って現地通貨を引き出すことも可能。クレジットカードでの支払いは高級ホテルなどに限られるが、ユーロでの支払い可能なところもあるので、現地通貨に換金する額を前もってよく考え、うまく使い分けたい。

治安

 ダカール、サンルイ等、主要都市に大きな治安の不安はない。但し、セネガル南部のカザマンスはじめ、社会情勢によって治安が大きく変動するため、渡航前には必ず訪問地域の情勢を確認しておく必要がある。ダカール中心部を歩いていてもアジア系の旅行者は目立つので、物売りのほか、観光ガイドをしてやると次々に声をかけられることがある。常時、スリには注意したい。ダカールの近況としては、中国人の増加と土地購入に伴い、セネガル人との諍いが増加している。現地の人々は日本人と中国人を区別できないと考えてよく、日本人も同様に注意が必要である。ダカールの中心街に近い海外沿いのコルニッシュでは開発が進み、大型ホテルが出現しているが、通行の際には昼間でも警戒を怠らないこと。いずれの地域にあっても、夜間の外出や一人歩きは可能な限り避けたほうがよい。

乗物

 距離に応じて価格の目安はあるものの、タクシーを利用するには事前の確認、あるいは値段交渉が必要で、一定のフランス語能力を身につけておくことが望ましい。土地感を養ったあとには、セネガル庶民の足ともなっている外観のカラフルな乗合いバスに挑戦するのもよい。しばしば車内は込み合い、渋滞にも巻き込まれて疲弊することにはなるが、タクシーよりはるかに安価なだけではなく、タクシーから見るのとは違う景色を目にできるし、セネガルの人々の匂いや生活をより身近に感じることができる。

(鳥羽美鈴)

3.医療情報

 渡航前に、黄熱の予防接種を受けておくことが推奨される。日本国内の検疫所・診療所は接種日時が限られているところが多いため、セネガルへの渡航日は余裕をもって設定するべきだろう。黄熱予防接種の国際証明書は一度接種すれば10年間有効である一方、効力をもつのは接種10日後からである。

 現地で気をつけたいのは、マラリアなどの寄生虫疾患。マラリア予防薬は併用する薬や体質によっては強い副作用がでる恐れも皆無ではないため、滞在期間と訪問地域によって服用するかどうか判断されたい。肝要なのは、刺されないように気をつけることである。例えば、首都ダカールに数週間未満の滞在である場合、日暮れ時以降は特に意識して長袖やストールを着用するなど、肌の露出を出来るだけ抑えた格好をするとともに、防虫剤をこまめに使用することで身を守ることができる。

 マラリア治療・予防薬にはメフロキンがある。メファキンやラリアムなどの製品名で売られている。ダカールには数多く薬局があり、地方でもマラリア予防薬を入手可能な薬局がある。マラリナに罹った恐れがあると感じた場合には、早急に医療機関に行くこと。ダカールでは、BIO24というラボで血液検査が受けられる。

  • BIO-24
    Laboratoire d'Analyses de Biologie Mdicale
    13 bis rue Saint Michel (ex rue Dr Theze), Dakar
    電話:(221)33-889-5151
    http://www.labobio24.com

 日本に比べ、総じて設備は劣るもののダカールには病院や診療所が多いほか、各州に病院がある。緊急用には、次のような医療機関がある。

  • SUMA
    Km 5 Avenue Cheikh Anta DIOP angle Avenue des Ambassadeurs,Dakar
    電話: (221) 33-824-2418
    http://www.sumassistance.com
  • SOS MEDECIN Sngal
    電話:(221)33-889-1515
    http://www.sosmedecinsenegal.org

 日本語での対応や、その他の医療機関の情報が必要な場合の主な問い合わせ先は以下の通り。在セネガル日本大使館では、現地での治療が不可能な場合や緊急移送に関する助言・支援を必要とする場合にも対応してもらえるであろう。

  • 在セネガル日本大使館
    (在カーボヴェルデ大使館、在ガンビア大使館、在ギニアビサウ大使館を兼轄)
    Sngal Ambassade du Japon
    Boulevard Martin Luther King, Dakar
    電話: (221)33-849-5500
    http://www.sn.emb-japan.go.jp
  • 独立行政法人 国際協力機構(JICA)セネガル事務所
    JICA Senegal Office(Bureau de la JICA au Sngal)
    Immeuble ABM 5e etage 20, Avenue Leopold Sedar Senghor,Dakar
    電話:(221)33-821-6919

(鳥羽美鈴)

4.通信環境

 首都ダカールには、インターネットカフェ(Cybercaf)が多くあるが、日本語には対応していないことが多い。他方、無線LANを備えたホテルがダカールやサンルイでは増えているので、使用頻度が高い場合は、ノートパソコンを日本から持ち込むと便利。携帯電話は、現地でNOKIAの携帯やORANGEなどのSIMカードが安く簡単に入手できる。経済的なうえ、一般に地方都市でもよく通じる。

(鳥羽美鈴)

5.ビザ、調査許可

 日本国籍者の場合は、3ヶ月以内の滞在であればビザは不要。それより長期になる場合は、セネガル入国後に現地内務省で延長申請する必要がある。

 調査許可に関しては、研究内容により一概には言えないが、調査が長期間にわたる場合や大規模なものである場合は周囲への影響を考え、関係省庁に連絡をとって許可を得ておいたほうが無難。なお、調査用であれ私的なものであれ、許可なしに空港内や大統領官邸前、教育機関などで撮影をしてはならない。

(鳥羽美鈴)

6.カウンターパート、来日経験のある研究者

(敬称略)
アブドゥライ・カマラ Abdoulaye CAMARA(考古学者)
アブドゥ・サラム・サル Abdou Salam SALL(ダカール・シェイク・アンタ・ディオプ大学学長)
ドゥドゥ・ディエン Doudou DIENE(国連特別報告官)
エル・ハジ・ムボッチ El Hadj MBODJ(ダカール・シェイク・アンタ・ディオプ大学教授、法学者)
ファトゥ・ディオム Fatou DIOME (作家):『大西洋の海草のように』(邦題)
ファトゥ・ソウ Fatou Sow(CNRS(フランス)/IFAN(セネガル))
ママドゥ・シッセ Mamadou CISS(ダカール・シェイク・アンタ・ディオプ大学言語学科)
ママドゥ・ンジャイ Mamadou NDIAYE(セネガルNGO・ENDA Grafプログラムオフィサー)(鳥羽美鈴)

7.大学図書館、アーカイブス、本屋

 ダカール大学図書館は外観とともに、内部もPC・エアコン完備のモダンな建物。筆者は飛び込み訪問であったが、館長が快く応対して下さったうえ、資料を自由に閲覧できた。

  • Universit Cheikh Anta Diop de Dakar
    Rseau des Bibliothques
    BP 2006 Dakar
    電話:(221)33-824-6981

 大型書店としては、ダカールプラトーとメルモーズにLibrairie Aux Quatre Ventsがある。フランスの最新本のほか、アフリカに関するフランス語書籍が充実している。他に、Librairie Clairafriqueなどがある。 

  • Librairie Aux Quatre Vents
    55 rue Flix Faure
    BP 18205 Dakar
    電話:(221)33-821-8083 
  • Librairie Aux Quatre Vents (Mermoz)
    Mermoz Pyrotechnie n°6
    BP 18205 Dakar
    電話:(221)33-869-1037
  • Librairie Clairafrique
    Avenue Cheick Anta Diop
    BP 2005 Dakar
    電話:(221)33-864-4429

(鳥羽美鈴)

8.機材・資料の持ち出し、持ち込み

 精密機器類を持ち運ぶには、砂埃から保護するためのカバーや袋を用意しておくのがよい。

(鳥羽美鈴)

9.調査グッズの現地調達

 ダカールではPC周辺機器やハードウエア等、入手可能なものが多く、ケルメル市場近くなどで入手できる。但し、高品質のものはあまり期待できず、日本で購入するより高価なことも多いので、現地調査に必要となる品は日本ですべて揃えて持ち込むのがよい。地方では、上記のような品の入手は困難。

(鳥羽美鈴)

10.日本人研究者情報/これまでの調査、科研

日野舜也(京都文教大学文化人類学科 教授)(編)『アフリカの文化と社会 第2巻』(1992) 勁草書房.
梶茂樹(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 教授)『アフリカをフィールドワークする』(1993) 大修館書店.
勝俣誠(明治学院大学 国際学部教授)『アフリカは本当に貧しいのか : 西アフリカで考えたこと』(1993) 朝日新聞社.
正木響(金沢大学人間社会研究域経済学経営学系 准教授)「19世紀フランス商人の西アフリカ進出とセネガル社会(1) : 19世紀前半のサンルイを中心に」(2006) 金沢大学経済学部論集 26(2), pp.215-252.
三島禎子(国立民族学博物館民族社会研究部 准教授)「セネガル・モーリタニア紛争をめぐる民族間関係」和田正平編著『現代アフリカの民族関係』(2001) 明石書店, pp.68-91.
元木淳子(法政大学工学部教授)(共著)風呂本惇子・楠瀬佳子・池内靖子(編)『女たちの世界文学: ぬりかえられた女性像』(1991) 松香堂.
小川了(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所 名誉教授)『可能性としての国家誌 : 現代アフリカ国家の人と宗教』(1998)世界思想社.
大林稔(龍谷大学経済学部 国際経済学科 教授)(編)『アフリカの挑戦 : NEPAD (アフリカ開発のための新パートナーシップ)』(2003) 昭和堂.
砂野幸稔(熊本県立大学文学部 教授)『ポストコロニアル国家と言語 : フランス語公用語国セネガルの言語と社会』(2007)三元社.
鈴井宣行(創価大学アフリカ研究センター 教授・アフリカセンター所員)「セネガルにおける持続可能な開発と女性に対する「教育」の役割:農漁村地域開発とEcoles Communautaires de Baseを中心にして」(2006) Sociologica 30(2), (51) pp.111-130.
竹沢尚一郎(国立民族学博物館民族文化研究部 教授)『人類学的思考の歴史』(2007) 世界思想社.
(セネガルに特化せずフランス語圏西アフリカ諸国、ひいてはアフリカ全般を研究対象とする研究者はこの他にもおり、上記に全ての方々を網羅するわけではない。)

(鳥羽美鈴)

11.そのほか、各地域情報など

 現地調査日程の設定にある程度自由がきくのであれば、乾季のうち特に11月から3月のあたりに設定するのがよいだろう。マラリアなど虫が媒介する病気の感染のリスクや豪雨によって道路事情が悪くなり現地での予定変更を迫られるといった危険性を少しなりとも抑えることができる。

(鳥羽美鈴)

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