フィールドワーカーから寄せられた地域別の現地情報です(2010-2015年頃)
フィリピン
1.外務省ホームページ 各国・地域情勢
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/philippines/index.html
2.旅行情報(空港、ホテル、換金/TC、治安など)
空港
マニラにあるニノイ・アキノ国際空港が主な入り口。フィリピン航空の直行便が、成田、関西、中部、福岡空港から出ている。また、最近セブ・パシフィック航空が、格安で関西との直行便の運航を開始した。フィリピン航空は国際線、国内線ともに第2ターミナルに、セブ・パシフィック航空は国際線、国内線ともに第3ターミナルに、それ以外の外国の航空会社の国際線は第1ターミナルを利用する。その他、国内線ターミナルが別にある。
ホテル
エルミタ・マラテ地区は空港からも近く、高級ホテルから格安宿までそろっている。中でも、ペンション・ナティビダッドは値段のわりに清潔でセキュリティも高く、フィリピン研究者に愛用されている。値段は、ドミトリー350ペソ、シングル(扇風機)900ペソ、シングル(エアコン)1200ペソ程度。
換金
空港に入っている銀行よりも、マニラ市内の両替所の方が交換レートがいい場合が多い。両替所では、窓口を離れる際の金額確認は徹底すること。また、街中で高額なレートを書いた紙を見せてくる呼び込みにはついていかないこと。安全なのはRobinsonやSMといったショッピングモール内の両替所だが、レートは悪い。
治安
見知らぬ他人の誘いに乗らない、ついていかない、周囲や持ち物に気をつける、目立つ行動をしないといった、当然の注意ができていれば、基本的には危険な目にはあわない。しかし、深夜に一人で歩いたり、ジプニーに乗る際には要注意。私は以前ジプニーで、隣の乗客がコインを床に落としたのに気を引かれているうちに、ポケットから財布を抜き取られたことがある。
3.医療情報
特に義務付けられている予防接種はないが、長期滞在する場合には破傷風や狂犬病の予防接種をしておいてもいい。
マニラやセブなどではマラリアの発症は確認されていないが、南西部のパラワン島周辺にはマラリア原虫が生息しているので、蚊に刺されないように注意する必要がある。
デング熱の発症者が毎年2万人と多い。
都市を中心に、病院やクリニック、薬局など医療施設は基本的に充実している。風邪薬や鎮痛剤、胃腸薬など日本の薬と比べ作用が強いので、常備薬は日本の薬局で用意しておくといい。
4.通信環境
携帯電話が普及している。ある程度の期間滞在するのであれば、現地で携帯端末とSIMカード、プリペイドカードを購入したほうが、日本の携帯電話を国際ローミングで使用するよりはるかにコストが低い。しばらくたって再入国した際にも、SIMカードとプリペイドカードを再購入すれば、端末は使用可能。またフィリピンで購入した携帯端末は、同じくGSM方式システムを採用している200カ国以上で利用が可能。
都市部では、ネットカフェが数多く営業しており、インターネットが多くの店で1分単位から利用可能。ショッピングモールや各種店舗の中で、有料や無料の無線LANを提供しているところもある。
5.ビザ、調査許可
パスポートのみで入国し(滞在可能日数は21日間以内)、その後観光ビザの延長や再延長をすることで、ある程度の期間の滞在は可能。
しかし、長期滞在による本格的な調査を予定するのであれば、フィリピン大学の第三世界センターやアテネオ・デ・マニラ大学のフィリピン文化研究所といった研究機関に在籍し、47(a)(2)と呼ばれる特別非移民ビザを取得する必要がある。またその他に、日本国内の各種大学の交換留学生制度を利用して、フィリピン国内の大学に留学生として在籍し、学生ビザを取得するという方法もある。
特に調査許可等は必要ないが、研究機関の研究員や大学の留学生であることを示すIDを保有している方が、調査のプロセスが円滑に進むことが多い。
6.カウンターパート、来日経験のある研究者
マニラには、国立のフィリピン大学ディリマン校やロスバニョス校、私立のアテネオ・デ・マニラ大学やデ・ラサール大学など主要な研究機関があり、日本国内の各種大学との交換留学提携を結んでいる。その他、セブやイロイロ、ダバオなど地方都市にも公立・私立の大学が数多くある。
7.大学図書館、アーカイブス、本屋
上記大学の付属図書館は、IDを保有していなければ利用できない場合が多い。別途費用を支払えばビジター利用が可能なところもある。
マニラのマカティ地区にあるSolidaridad書店では、人文・社会科学の専門書が販売されている。また、ショッピングモール内に展開しているNational Bookstoreには、ある程度の量の専門書のコーナーが設置されている。
8.機材・資料の持ち出し、持ち込み
機材や資料を郵送するのであれば、国内であればLBC、国外であればDHLを利用する方が、郵便局を利用するより早く、確実性が高い。
9.調査グッズの現地調達
マニラやセブ、イロイロなど都市部では、RobinsonやSMなどのショッピングモール内で、調査に必要なグッズを入手することができる。
その他、地方都市のショッピングモールでも、品揃えを気にしなければ基本的な調査グッズは入手できる。
10.日本人研究者情報/これまでの調査、科研
歴史学:
池端雪浦(元東京外国語大学)
言語学:
山下美知子(東京外国語大学)
政治学:
藤原帰一(東京大学)
文化人類学:
清水展(京都大学)