フィールドワーカーから寄せられた地域別の現地情報です(2010-2015年頃)
ジャマイカ
1.外務省ホームページ 各国・地域情勢
ジャマイカ: http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/jamaica/index.html
2.旅行情報(空港、ホテル、換金/TC、治安など)
空港
国際線の発着する空港は、首都キングストン(Kingston)にあるノーマン・マンリー国際空港(Norman Manley International Airport)と観光都市モンテゴ・ベイ(Montego Bay)にあるサングスター国際空港(Sangster International Airport)の二つ。
移動
モンテゴ・ベイ・キングストン間の移動方法は、
国内線航空機のジャマイカン・エクスプレス http://www.airjamaica.com/
リムジン・バスのナッツフォード・エクスプレス http://www.knutsfordexpress.com/ Express(片道2000JD、)
あるいは市民の使うマイクロ・バスやタクシー。安さをとるならやはりマイクロ・バスだが、運転が粗いので車酔いをする人には向かない。タクシーはメーター式ではないので、乗る前に運転手との値段の交渉が必須。
時差
日本との時差は-14時間。
電圧
電圧は110V。プラグの形状は日本と同じ。
レンタカー
レンタカーは空港からも利用できる。安いもので6000JD程度。運転には国際運転免許証が必要。日本と同じ左側通行なので、運転は難しくない。
ホテル
首都キングストンには日本人が経営する宿として、アイシャ・ハウス(一人部屋1泊30~40USドル)、ラブリッシュ(一人部屋1泊30USドル~、ドミトリー1泊20USドル~)がある。ほかに長期滞在する日本人がよく利用するアパートとして、通称「ケンコット(Kencot)」がある。ここは電気代と水道代込み、家具つきで1ヶ月250~300US。
為替
2010年2月の時点で、1USD=約90JD、1円=約0.99JD。ジャマイカで日本円とジャマイカドルとの換金はできない。
物価
物価は日本とほとんど変わらない。ランチボックスや飲料水などの価格は日本よりやや安いため、旅行者にとって食費は安く抑えることが可能。一方で電気製品など、海外から輸入されているものは総じて日本より高価。
トラベラーズ・チェック
トラベラーズ・チェックが利用できる店は限られている。ジャマイカに到着後、銀行で現金に換えて使うことになるので、不便。
クレジット・カード
主要なクレジット・カードは一通り利用可能。都市部や町には銀行のATMが十分にあるため、トラベラーズ・チェックを使うよりもクレジット・カードや国際キャッシュ・カードで必要な分だけ現金を引き出すほうが便利。
治安
治安はよいとはいえない。(総人口は約260万人程度にもかかわらず、2008年の年間殺人事件数は1611件。ただし、その多くがギャング間の抗争に関わるもの。)旅行者が強盗に会うことも少なくない。夜間や、人気のないところでの一人歩きは控えること。
(二宮健一)
3.医療情報
数年前には蚊によって媒介されるデング熱が流行したが、それ以外には近年目立った伝染病の流行はない。
医療サービスは比較的充実しており、診療、施術、投薬ともに問題なく受けられる。
(二宮健一)
4.通信環境
携帯電話は日本と同程度に普及している。プリペイドカード式なので、旅行者でも電話機とSIMカード、プリペイドカードを購入すればすぐに使うことができる。安い機種ならば3000JD程度で購入できる。ディジセル(Digicel)社がもっとも受信範囲が広い。
2ヶ月以上プリペイド・カードによる通話料の追加をしなかった場合にはSIMカードの登録が消去され、通話ができなくなってしまうので注意が必要。ただしその場合でもアドレス・ブック機能など、通信以外の機能は利用できる。
日本へは携帯電話から国際電話をかけることができ、ディジセル(Digicel)社の場合は1分約18JD。
インターネットは日本のADSL並みの速さのものが一般的。ネットカフェ的な場所は、都市部のビジネス街や繁華街にいくつかある。それらに設置されているパソコンでは、日本語のサイトも問題なく表示されるが、日本語での入力はできない。また、パソコンを持ち込んで無線LANで通信できるカフェも都市部にはいくつかある。
(二宮健一)
5.ビザ、調査許可
調査に関わる許可は特に必要ない。
30日以上の国内滞在にはビザが必要。ビザの種類には観光ビザ、通貨ビザ、就学ビザ、外交・公用ビザ、業務ビザがある。調査の場合には現地の大学に留学手続きをしたうえでの就学ビザの取得か、観光ビザの取得が適当。
観光ビザでの滞在許可期間は、空港での入国審査の際に審査官が滞在目的を尋ねた上で決定し、パスポートに記入する。このとき許可される滞在期間は、通常は最長で3ヶ月。それより長く滞在しようとする場合には、キングストン市内のパスポート・オフィス(Passport, Immigration & Citizenship Agency)に出向いて、滞在許可延長の申請をしなければいけない。
著者が2008年に1年間のフィールド調査を行った際には、観光ビザを取得してジャマイカに渡った。最初に入国審査で許可された滞在許可期間は1ヶ月であったため、その後、現地の大学の教授に紹介状を書いてもらい、パスポート・オフィスに出向いて滞在期間を一年間まで延長する申請を行った。その時の担当職員は、観光ビザでは半年以上の滞在許可を出すことはできないと主張していた。しかし、そこに偶然通りかかったその部署のスーパーバイザーが「慣例ではそうだが法的には観光ビザでの滞在は一年間まで認められる」と指摘したことにより、無事に1年間の滞在許可が得られることとなった。
(二宮健一)
6.カウンターパート、来日経験のある研究者
西インド諸島大学(The University of the West Indies)社会科学学部のイアン・ボクシル(Ian Boxill) 教授は、2007年に神戸大学で行われたシンポジウムでの発表のために来日している。
7.大学図書館、アーカイブス、本屋
西インド諸島大学の図書館(http://www.mona.uwi.edu/library/ 蔵書検索が可能)は、日本での所属大学の学生証を提示すれば蔵書の閲覧・コピーを許可してくれる。ただし貸し出しはできない。
また同大学の社会科学学部もアーカイブを持っており、社会科学系の調査報告書や学位論文などが保管されている。
(SALISES http://salises.mona.uwi.edu/ddc/documentation.html)
研究関連図書を購入するのであれば、大学のブックストアと、学内にあるUWI Press(http://www.uwipress.com/)のオフィスをチェックするのがよい。
(二宮健一)
8.機材・資料の持ち出し、持ち込み
機材や資料の持ち出し、持ち込みに関しては特に制約はない。
9.調査グッズの現地調達
ICレコーダーやビデオカメラ、カメラなどはジャマイカでも調達可能だが、電子機器全般は日本のほうが格段に安い。
10.日本人研究者情報/これまでの調査、科研
宗教・人種・音楽に関しては神戸大学の柴田佳子教授、プランテーション奴隷に関しては徳島大学の西出敬一教授、マルーン(逃亡奴隷)に関しては東京大学の遠藤泰生教授、ポピュラー音楽に関しては関西学院大学の鈴木慎一郎教授が研究しておられる。