フィールドワーカーから寄せられた地域別の現地情報です(2010-2015年頃)
ガーナ
1.外務省ホームページ 各国・地域情勢
ガーナ: http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/ghana/index.html
2.旅行情報(空港、ホテル、換金/TC、治安など)
治安
ガーナは西アフリカの中では比較的治安が良いと言われている。慣れてくれば、首都アクラにおいても夜に1人で出歩いても平気。交通手段は、「トロトロ」と呼ばれる乗り合いバスかタクシーが一般的。街中を走るタクシーはどこで拾っても特に危険は無いが、用心するに越したことは無い。乗る前に、行き先や代金交渉など、多少話をしてから判断を。当地の日本大使館が配布している「安全の手引き」から詳細な情報を入手可能。
言語
特にアクラ市内においては、大半の人が英語をしゃべれる。また、役所では現地語よりも英語で話す方が好まれることも多い。
入国方法
中東(ドバイ、カイロ)かイタリア経由でアクラに入るのが一般的。オランダやドイツを経由することもできる。いずれにしても、乗り換え時の接続はそれほどよくない。
隣国から陸上国境を越えることもできるが、初心者にはお勧めしない。
空港
国際空港はアクラにあるコトカ国際空港(KIA)。その他にもタマレやクマシなど地方空港がいくつかあるが、利用する機会はそれほど多くは無いだろう。空港を出ると、すぐにタクシーに勧誘されるが、白タクの場合もあるのである程度注意が必要。
換金
アクラに多数存在しているForex bureauで現地通貨のセディに換金可能。初入国などで手持ちのセディが無い場合には、空港の荷物を受け取る所で換金するのがお勧め(空港の近くでは換金できない)。レートも悪くない。TCはレートが悪く、特定の銀行でしか換金できないのでお勧めしない。100ドル札を持ち込むのがもっとも汎用性が高い。
ホテル
アクラにはドミトリー、ゲストハウス、ホテルと様々なレベルの宿泊施設が揃っている。ゲストハウスは、アクラ中心部でも1泊1000円程度で宿泊可能。長期滞在の場合は、値段交渉の余地もある。現地到着が夜になる場合は、事前に予約しておくのが無難。
ホテルを利用する場合には、現地の日本人が経営する旅行会社(ヨシケントラベル http://www.yoshikentravelgh.com/)に手配してもらうのが楽。
一般的な旅行情報は、ロンリープラネット(http://www.amazon.co.jp/Lonely-Planet-West-Africa-Anthony/dp/1741048214/ref=sr_1_2?ie=UTF8&s=english-books&qid=1265715258&sr=8-2-spell)の当該ページのコピーを持って行くと便利。
水
ピュア・ウォーターと呼ばれる、ビニール袋入りの水が至る所で入手可能。500mlで、5ペソワ(3円程度)。アイスド・ウォーターと呼ばれるただの水道水や井戸水は避けた方が無難。ただし、すべてのピュア・ウォーターが必ずしも安全では無いので、お腹に自信の無い人はボトルド・ウォーターと呼ばれるペットボトル入りの高級品(1.5lで100円くらい?)を飲んで下さい。コーラ、スプライト、ファンタ、ペプシ、ビールも容易に入手可能。
(浜田明範)
3.医療情報
日本から持っていったほうが良いのは、体温計と虫除けスプレー(マラリア対策)、のど飴とうがい薬(のどに来る風邪が多いが、現地で入手できない)。
予防接種
入国時には、イエローカード(黄熱病予防接種証明)が必要。その他にも、狂犬病、B型肝炎、破傷風の予防接種くらいは打っておくと安心。
薬剤
抗生物質から解熱剤、抗マラリア薬まで現地の薬局で問題なく入手できる。ただし、危険な副作用を持つクロラムフェニコール(Chloramphenicol)も一般的に使用されているので、白一色のカプセルタイプの抗生物質の服用は、腸チフスと診断されない限り避けること。
マラリア
ガーナにおいて最も注意すべき感染症はマラリアである。特に夕方から早朝にかけては、蚊取り線香(至る所で入手可能)、虫除けスプレー(日本から持参こと)、蚊帳(病院やヘルスセンターで入手可能)などを駆使して、蚊の対策をするのが望ましい。副作用が気にならない人はメフロキンを週1回服用することで、かなりの程度感染を防ぐことができる。ただし、下痢や悪夢などの副作用は強烈。最近は、マラノールという予防薬が比較的副作用が弱いということで人気らしい。
アーテスネイト(Artesnate)系の治療薬が現在のファーストチョイス。3ドル程度で入手できるので、万が一発症したときのために現地の薬局でできるだけ早く入手し、携行するべき。自己治療に自信が無い場合は、できるだけ早く現地の病院へ。
医療機関
首都のアクラには比較的大きな医療機関が多数存在している。当地の日本大使館の配布している「安全の手引き」にも、複数の医療機関の連絡先等が載っている。
(浜田明範)
4.通信環境
ネットカフェは、アクラには多数、たいていの地方都市にも複数ある。ただし、日本語が書き込めるネットカフェは稀(オスやガーナ大学内にあるという話)なので、現地で探すくらいなら自前のPCを用意する方が無難。
携帯電話会社MTNとvodaphoneがUSBペンドライブ型のモデムを配布し、従量制での接続サービスを提供している。価格は60セディ(45US$)/2.5G(MTN)と手ごろだが、直営店でもぼられるので注意が必要。ネットカフェよりも割高だが、接続環境を勘案すれば都市・地方問わずこちら方がお勧め。
(浜田明範)
5.ビザ、調査許可
調査許可
特別な調査許可は必要ありません。
ビザ
入国前に観光ビザを取得しておく必要がある。現地では入手できない。
原則として入国時に60日の滞在許可がおりるが、近年、入管で10ドル程度の賄賂を要求されるケースが増えている。入国時におりた日数を越えて滞在する場合には、日本大使館近くの入国管理局にパスポートを預けて、30日単位で90日まで滞在許可の延長申請をすることができる。なお、手続きの際に、帰りの航空券のコピー、パスポート用の写真、手数料(1月当たり15ドル程度)が必要となる。
また、アクラのレゴンにあるガーナ大学に客員研究員(Research Affiliation)として所属することで学生ビザを取得し、より長期的・安定的に調査を行うことも可能。2009年度の既定では、初回登録に150ドル、セメスター毎800ドルが必要になるとある。その他にも違う名目の費用を要求される可能性もあるので、客員研究員になることを希望する場合は、ガーナ大学のHP(http://www.ug.edu.gh/index1.php?linkid=283#graduate)を参照したうえで、事前に問い合わせることを強くお勧めする。
(浜田明範)
6.カウンターパート、来日経験のある研究者
アクラのガーナ大学、クマシのンクルマ大学、ケープコーストのケープコースト大学が有名だが、その他にも無数の大学が存在する。
アジア経済研究所に滞在経験のある研究者も複数いる(http://www.ide.go.jp/English/Researchers/Vrf/africa.html )。
(浜田明範)
7.大学図書館、アーカイブス、本屋
ガーナ大学の図書館は、身分証を提示することで誰でも利用できる。中央図書館の他に、学部毎の図書館もあり、中には本館よりも充実しているところも。また、ガーナ大学の本屋は、ガーナ国内の研究者によって書かれた書籍や学術雑誌を入手できる貴重な場所。
アクラの中心部にあるナショナル・アーカイブを利用するためにはレターが必要。
(浜田明範)
8.機材・資料の持ち出し、持ち込み
国際郵便は、アクラのマコラマーケット近くのヘッドオフィスやンクルマサークル付近の大きな郵便局から利用可能。基本的には、航空便を使用することになるが、値段は高い(本8冊で8000円くらい)。職員はとても親切。
(浜田明範)
9.調査グッズの現地調達
文房具からコンピューター、デジカメまで、金に糸目をつけなければ、ほとんどすべての物をアクラやクマシで入手できる。
(浜田明範)
10.日本人研究者情報/これまでの調査、科研
<人類学・社会学>
高根務(東京農業大学)、阿久津昌三(信州大学)、清水郷美、田原範子(四天王寺大学)、石井美保(京都大学)、織田雪世(京都大学)、廣瀬桂子(名古屋大学)、友松夕香(東京大学)、浜田明範(一橋大学)
<言語学>
古閑恭子(高知大学)
<経済学>
サミュエル・アンポンサー(東京国際大学)
<歴史学>
溝邊泰雄
<農学>
若月利之(近畿大学)
<開発学>
澤村信英(広島大学)
<昆虫学>
八木繁美(多磨アフリカセンター)
<地理学>
友久保彦(一橋大学)
<ドラム>
諏訪眞人
<医学>
<植物学>
<考古学>
11.そのほか、各地域情報など
基本的に人当たりがよく、とてもよく歓迎される。
南部では、キリスト教の影響が絶大。
南部では、物を受け渡しするときは右手を使用しなければならないとされている。
食事に行くときには、誘って(奢って)あげるのが基本。
(浜田明範)