フィールドワーカーから寄せられた地域別の現地情報です(2010-2015年頃)
トンガ
1.外務省ホームページ 各国・地域情勢
トンガ王国: http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/tonga/index.html
駐日トンガ王国大使館が設立されました。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/link/emblist/pacific.html#13
2.旅行情報(空港、ホテル、換金/TC、治安など)
空港
トンガタプ島にあるFa’amotu国際空港は飛行機の離発着時のみ開き、通常は無人のため、空港で乗り継ぎ便を待つことはできない。また、国際線と国内線のターミナルが離れているため、徒歩での移動はできずタクシーでの移動となる。
渡航
日本からの直行便はない。ナンディ(フィジー)、オークランド(ニュージーランド)、シドニー(オーストラリア)などを経由する。国際線、国内線ともに渡航事情が変わりやすく、注意が必要。
ホテル
Fa’amotu国際空港付近とヌクアロファ市内には比較的大きなホテルがある。その他、ゲストハウスもいくつか営業している。価格帯はUSD20~USD300以上までかなりの幅があるが、平均してさほど安くはない。
換金/TC
空港または銀行での換金が可能。日本円のTCのレートが若干良い。クレジットカードがあれば、銀行設置のATMでキャッシングが利用できる。
治安
治安はそれほど悪くはないが、ヌクアロファ市街地から少し離れると真っ暗な道ばかりなので、夜の一人歩きは注意が必要。ライトは必需品。また、観光客向けではない、地元住民が集まる酒場では酔っぱらいに絡まれることも多いため、トンガ人の同伴者がいたほうが良い。
物価
島国で輸入品に頼っているため、物価は日本とさほど変わらない。
(北原卓也)
3.医療情報
病院
トンガタプ島には総合病院であるヴァイオラ病院があり、治療を受けることができるが、抗生物質、解熱剤、など一通り持参すると便利。特に、傷が化膿することもあるので、患部に塗るタイプの抗生物質があると重宝する。
水
国内では雨水を飲料水として使用していることが多い。消毒済みの上水道も通っているが、硬水で石灰が多く含まれるため飲料には適さない。食料品店でミネラルウォーターを購入することもできる。
栄養
一般家庭の主食は芋類(キャッサバ、タロ、ヤム、クマラ)。タンパク質は魚、シピと呼ばれる脂身の多い羊肉などから摂取。野菜はタロの葉が日常的に調理される。ヌクアロファの市場ではその他の野菜(トマト、キャベツ、根菜類)も入手できる。果物は時期によってココナッツ、バナナ、スイカ、マンゴーなどを市場や露店で購入できる。
(北原卓也)
4.通信環境
・離島も含めて、国内の市街地にはインターネットカフェが散見される。ヌクアロファ市内のFriends caf では持ち込みのPCで無線LAN接続ができる。政府や企業のオフィスにはインターネット環境が整っていることが多いが、家庭レベルでは普及率は低い。
・携帯電話が普及しており、持っていると便利。Digicel とTCCの2社があるが、両社ともに最初にSIMカードと電話機本体を購入すれば、プリペイド形式で利用できる。プイペイドカードは各所にある雑貨店で購入できる。
(北原卓也)
5.ビザ、調査許可
ビザ
31日以内の滞在であれば観光ビザは不要。最長6ヶ月まで滞在を延長することができる。その場合はヌクアロファ市内の Immigration Officeに申請する。延長申請は1回につき1ヶ月まで可で、期間に応じた料金の支払と顔写真の提出が求められる。
入国や延長申請には帰りの航空券が必要。
リサーチビザの申請には研究計画書、政府の調査に対する方針の順守と調査後の報告書提出についての誓約書、経済状況を証明できる書類、健康診断書、関係省庁のレターなどを総理府に提出し調査許可のレターの発行を受ける必要がある。発行までに数ヶ月を要する場合もある。(2013年2月)
(北原卓也)
6.カウンターパート、来日経験のある研究者
・トンガタプ島には南太平洋大学のトンガキャンパスがある。
(北原卓也)
7.大学図書館、アーカイブス、本屋
・本の専門店は無い。書籍は街なかの文具などを扱う商店の一角で販売されている場合が多い。書籍を扱う店自体が少なく、それぞれが抱える在庫も少ないため、必要な本は後回しにせずその場で入手したほうがよい。
(北原卓也)
8.機材・資料の持ち出し、持ち込み
・トンガからの荷物の発送はポストオフィスからできる。
・手荷物として運ぶ場合は、便によって経由地で自動的に積み替えが行われず、一度荷物が外に出される場合があるので、事前に確認が必要。
(北原卓也)
9.調査グッズの現地調達
・筆記具は現地調達可能。ただし、紙類の品揃えは乏しく、サイズも限られるため、ノートなどは使い慣れたものを持ち込んだほうが便利。
(北原卓也)
10.日本人研究者情報/これまでの調査、科研
<文化人類学・社会人類学>
青柳真智子、須藤健一(国立民族学博物館)、大谷裕文(西南学院大学)、森本利恵、比嘉夏子(京都大学)、西谷真希子(首都大学東京)、北原卓也(早稲田大学)
<経済学>
中本博皓
<公法学・政治学>
東裕
<公衆衛生学・健康科学・食生活学・栄養疫学・人類生態学>
松村康弘(国立健康・栄養研究所)、稲岡司(佐賀大学)、小西祥子(東京大学)
11.そのほか、各地域情報など
・敬虔なキリスト教国で、日曜日の労働は禁止されているため、パン屋以外の店舗は閉店になる。土曜日も午後には閉店する店舗が多い。日本でいうコンビニのような売店は村のあちこちにあり、平日は夜遅くまで営業している。
・教会の行事や、冠婚葬祭などに出席する機会も多いため、フォーマルな服装の用意が必須。喪服は真っ黒な襟付きシャツが一般的なので、一着あると便利。
・現地で販売されている衣料品はサイズが大きいものが多いため、自分で持ち込んだ方が良い。
・島内の移動は車があるとベストだが、自転車でも十分行動範囲は広がる。トンガタプ島ではバスも運行されているが、発車時刻や行き先など明示されていないため慣れが必要。ヌクアロファ市内にはレンタカーもある。自動車免許は、国際免許証や日本の普通免許があれば、警察署でトンガの運転免許が申請できる。
(北原卓也)