地域情報アーカイブ Area Information

フィールドワーカーから寄せられた地域別の現地情報です(2010-2015年頃)

ブラジル

1.外務省ホームページ 各国・地域情勢

ブラジル: http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/brazil/index.html

2.旅行情報(空港、ホテル、換金/TC、治安など)

空港について 

 日本からブラジルに行く場合は、アメリカ合衆国やカナダ、ヨーロッパ、ドバイなどを経由して経済の中心サンパウロに入国することが多い。サンパウロから国内線に乗り換えて各都市に移動となる。ここ数年のブラジル経済の発展により、アメリカ合衆国‐首都ブラジリア間をつなぐ便もできた。デルタ航空はアトランタから、アメリカン航空はマイアミからの発着となる(変更もありうるので、旅行計画前に要確認)。

 サンパウロにはグアルーリョス国際空港とコンゴーニャス空港がある。国内線の一部はグアルーリョス国際空港からも発着している。国内線に乗り換える場合は、あらかじめどちらの空港かを確認しておくほうがよい。両空港間を結ぶバスが運行している。ブラジルの空港に着いてから国内便航空券を購入すると非常に高額になるので、あらかじめ日本で購入しておいたほうがよい。サンパウロからブラジリアは約一時間半(直行便の場合)。サンパウロからリオデジャネイロへは一時間弱。

治安について 

 日本からの国際線が到着するグアルーリョス空港では、日系人を狙った強盗が多発している。ブラジルでは一般的に、日系人が経済的に成功しているというイメージがあるため、標的になりやすい。出稼ぎから帰国(もしくは一時帰国)する日系人は多くの荷物を持ち、また現金も持っていることが多い。帰国した日系人を家まで追跡し、その後、家を襲う手口での強盗殺人が頻発している。また、日本人を狙った誘拐事件なども起きているので、十分な注意が必要。自動車を運転しているときにも注意が必要。赤信号での停車中に襲ったり、拳銃等でタイヤをパンクさせて停車させるケースがある。不審な人物や自動車が周囲にある場合は、停車せずに人気のあるところまで走り続けること。

 大都市では日本と比較すると格段に治安は悪い。地元の人に、危険な道や地区を確認する必要がある。また、夕方以降は一人で出歩かないこと。カメラなどの貴重品、貴金属は身につけない(見せない)こと。

換金について

 TCが利用できる店は限られているので、現金かカードが必要。クレジットカードはかなり普及しており、VISAが強い。日本のクレジットカードや特定の銀行のカードで、裏にPlusと記載されているものであればATMで現地通貨レアルを引き出せる。主に都市部のATM(Plusのステッカーが貼られたATMのみ)で、日本にある口座から引き落とすことができる。銀行のほかに、空港、大型ショッピングセンター、大型スーパーマーケットなどにATMが設置されている。ブラジル銀行と提携しているのは、日本郵政公社、三井住友銀行、セブン銀行、ライフカード。手数料や方法など、日本で事前に確認してから行くこと。 

言葉について

 ホテルや空港、大学では英語を話す人もいるが、街中ではあまり通じない。タクシーや公共交通機関を使う場合は、簡単なポルトガル語を覚えていたほうがいい(もしくは、紙に書いておく)。

(奥田若菜)

3.医療情報

 公立医療機関と民間医療機関がある。公立医療機関では外国人も診療が無料になっているが、待ち時間が長く、医療技術も民間に比べると低い。緊急を要する場合は、民間の医療機関に行くほうがよい。サンパウロなど都市部の医療機関は非常に高水準の医療を提供している。日本語が通じる医療機関は少ない。医師が日系人の場合は通じることも。
 (筆者は一度、公立医療機関に診察の予約をしたが、診察日は未定といわれ、5ヶ月後の帰国日まで電話はなかった。虫歯治療を民間で行ったときは6000円程度だった。) 

 日本からブラジル入国の際に義務付けられている予防接種はないが、他の南米の国では黄熱病が義務付けられていることが多い。他の南米の国からブラジルへ入国する際には、黄熱病予防接種証明書が必要。

 水道水や、ジュースに入っている氷、生野菜などには注意が必要。

(奥田若菜)

4.通信環境

 都市部であればインターネットカフェなども充実している。料金も手ごろ。

5.ビザ、調査許可

 ビザの申請は在東京ブラジル総領事館査証課、在名古屋ブラジル総領事館査証課、在浜松ブラジル総領事館査証課の三箇所で行う。それぞれ管轄区域が異なっている。ビザの申請時にパスポートの有効期限が6ヶ月以上必要。

 ビザの種類、通過(Transito)、観光(Turista)、一時滞在(Temporario)、永住(Permanente)などある。

 観光には、親戚や知人訪問のほか、芸術・スポーツ等の各種イベント参加、学術会議、講演会、講習会などの参加、講演も含まれる。ただし、これらの参加により報酬を得ることは認められていない。滞在可能期限は、入国日より90日で、更新可能。ただし、滞在日数の合計が1年間で180日を超えてはならない。そのため、観光ビザで半年以上滞在することは不可能。約半年滞在した場合、次の半年は(観光ビザでは)入国できない。

 一時滞在にはいくつか種類がある。学術分野での学会、講演会、講習会に参加し報酬を受け取る場合は一時滞在1となる。この場合、ブラジル側の学術・研究機関等からの招聘状や現在職機関からの推薦状が必要である。ほかに一時滞在1にあたるのは、ロータリークラブ留学、21歳未満の青少年対象のスポーツ研修、宗教団体、社会福祉団体でのボランティアなど。
 一時滞在2は商談、視察、ジャーナリストなど。一時滞在3は芸術家、芸能人、スポーツ選手など。一時滞在4はブラジル教育省認可校での勉学(留学)。一時滞在5は駐在などで、労働雇用省の許可が必要である。特派員は一時滞在6、宗教家が一時滞在7となる。

 ビザ申請は、2010年2月16日からの新システム導入によりオンライン化が進んでいる。ビザ申請用紙はすべてオンライン入力で、総領事館に直接行った場合でもオンライン入力が必要。ビザ取得に要する期間は、最長の観光で15日間である。

 上記のとおり、学会出席など短期滞在の場合は観光ビザとなる。半年以上の調査・研究を行う場合は、一時滞在(Temporario)1を取得する必要がある。ブラジル側の学術・研究機関からの招聘状は受取までに時間がかかることが多いので、時間的な余裕を持った計画を。3ヶ月以上滞在する場合は、日本総領事館に在留届を提出する。

 ブラジルに滞在する場合のビザ(観光・商用)に関しては、いくつかの国が査証免除国として指定されているが、日本国籍者は必ずビザが必要となる。 免除国一覧 http://www.consbrasil.org/consulado/np/index.htm

(奥田若菜)

6.カウンターパート、来日経験のある研究者

アリッセ・上甲 Alice Joko ブラジリア大学教授 言語学
デボラ・ディニス Debora Diniz ブラジリア大学准教授 社会政策
エリアネ・イヴォ・バローゾ Elianne Ivo Barroso  フルミネンセ連邦大学 映画
エルザ・タエコ・ドイ Elza Taeko Doi カンピーナス大学大学院教授 言語学
グスターボ・リンス・リベイロ Gustavo Lins Ribeiro ブラジリア大学教授 文化人類学
ジェフリー・レッサー Jeffrey Lesser エモリー大学教授
ジョゼ・ルイス・プロエンサ  Jose Luiz Proenca サンパウロ大学教授 芸術
カイゾー・イワカミ・ベルトラン  Kaizo Iwakami Beltrao国立統計科学学校・ブラジル地理統計院研究
マリーザ・ヴェローゾ・モッタ・サントス Mariza Veloso Motta Santos ブラジリア大学教授 社会学
ニレウ・オリヴェイラ・カヴァルカンティ Nireu Oliveira Cavalcantiフルミネンセ連邦大学教授・建築都市工学部長
オクタヴィオ・イアンニ Octavio Ianni サンパウロ大学名誉教授 社会学
ロナン・アルベス・ペレイラ Ronan Alves Pereira ブラジリア大学准教授 宗教学
セジ・ヒラノ  Seji Hirano サンパウロ大学副学長
ほか

(奥田若菜)

7.大学図書館、アーカイブス、本屋

 大学や公立図書館を利用するには、日本の図書館の紹介状があるほうが確実。当該機関に知り合いがいる場合は、その人の名前を出せば、何事も早くスムーズに進む。

 都市部には大型書店が多くあり、品揃えも豊富である。
Livraria Cultura www.livrariacultura.com.br
Livraria da Vila www. livrariadavila.com.br

SCIELO BRAZILではブラジルの学術誌を検索することができる。
http://www.scielo.br/

(奥田若菜)

8.機材・資料の持ち出し、持ち込み

 電圧が地域によって異なる。サンパウロやリオデジャネイロは110V、ブラジリアなどは220V。プラグはAタイプとCタイプの二種類があるので、準備が必要。ブラジルのDVDなどは、日本とブラジルの地域コードが異なるため、見られないことがある。

(奥田若菜)

9.調査グッズの現地調達

 都市部では必要な機器などは手に入るが、日本よりも高額で種類も少ない。物によっては日本の価格の数倍することもある。

(奥田若菜)

10.日本人研究者情報/これまでの調査、科研

・(文化人類学)2009年度科学研究費補助金 基盤研究(C)
 先史土器復興を中心とするブラジル・アマゾン先史文化の現代的利用の人類学的研究
 代表者:古谷嘉章(九州大学)

・(経営学)2009年度科学研究費補助金 基盤研究(C)
 日本企業の国際人的資源管理における「日系ブラジル人の活用」に関する研究
 代表者:古沢昌之(大阪商業大学)
 
・(社会学)2009年度科学研究費補助金 基盤研究(C)
 日本社会におけるブラジル人の子どもの挑戦と展望
 代表者:イシカワ・エウニセアケミ(静岡文化芸術大学)
 
・(社会学)2009年度科学研究費補助金 基盤研究(B)
 移民の流入と統合過程-在日韓国・朝鮮人と日系ブラジル人の世代間生活史の比較分析
 代表者:稲月正(北九州市立大学)
 
・(教科教育学)2009年度科学研究費補助金 基盤研究(C)
 日本・韓国・ブラジルを結ぶ移民学習教材の開発とカリキュラムモデルの構築
 代表者:服部圭子(近畿大学)
 
・(日本語教育)2009年度科学研究費補助金 若手研究(B)
 幼少期に来日、又は日本生まれのブラジル人児童生徒の実態調査-今後のケアに向けて-
 代表者:川口直巳(名古屋大学)
 
・(民事法学)2009年度科学研究費補助金 若手研究(B)
 ブラジル消費者法における広告・表示規制の私法的効果に関する基礎研究
 代表者:前田美千代(慶應義塾大学)

ほか多数

(奥田若菜)

11.そのほか、各地域情報など

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